今回は、週間スケジュールへの落とし込みに入ります。
仕事の内容が毎日決まったルーティンの方は、実質、この週間スケジュールまでのスケジュールの落とし込みでも特に問題はないと思います。
フリーランスの手帳術(全10記事)
週間スケジュールを作成しよう!
前回、「 【フリーランスの手帳術】05.月間スケジュール 」の章でこなすべきタスクの各要素を分解しました。
本記事では復習をかねて、前回挙げた例をさらに、Lv3までブレイクダウンしてみます。
※ 表示の都合上「ブログタイプの選定」に絞っています。
「ブログを開設する」の場合:例)
ASPタイプの選定(1Lv)
- 商用ASPタイプの調査(2Lv) 9時間
- 代表的なブログサービスチェック(3Lv) 2時間
- 特徴の調査(3Lv) 2時間
- ユーザー数チェック(3Lv) 30分
- 容量チェック(3Lv) 1時間
- チェックドメイン形式チェック(3Lv) 1時間
- HTML/CSS変更対応の不可チェック(3Lv) 2時間
- 使用料 30分
- 代表的なブログサービスチェック(3Lv) 2時間
- 非商用ASPタイプの調査(2Lv)yahoo
- インストールタイプの調査(2Lv)source
どのLvまで要素を掘り下げるかは、慣れが必要ですが、やっていくうちにコツを掴めてくると思います。ちなみに見積もり自体はスケジュールに直接記入するのではなく、無地のメモ欄や空いている余白で行います。
上の例では、商用ASPの調査に9時間(3Lv目合計時間)必要なことがわかります。 つまり、一週間のうち9時間ほど「商用ASPの調査」に当てる時間が確保できれば調査は完了できるということです。
当たり前のことですが、現実の仕事も実はこの方法である程度の所要時間が算出できてしまうのです。
あとは残りのタスクにも概算時間を見積もり、積み上げていくことで必要とする時間の総数が算出できます。私の場合はこれに「安全率」を3%掛けて12時間と算出しています。
余談ですが週間スケジュールのフォーマットには、1週間のタイムスケジュールを視覚的に把握しやすいバーティカルフォーマットをお勧めします。
達成可能なタスクか否かを判定する
次は自前サーバを例とした場合を説明します。
「自前サーバ」の場合:例)
環境の選定(1Lv)
- 無料レンタルサーバ業者選定 (2Lv)
- 有料レンタルサーバ業者選定 (2Lv)
- 自前サーバ (2Lv)
- 自分にできるか? (3Lv)
- 頼れる友人? 〇〇君と△△さん
- 運営? 書籍独学 外注依頼
- セキュリティ? 厳しそう
- 資金 10万円
- 必要な知識は?
- OSは?「Windows」 「Linux」
- Webアプリは?「httpd」「jboss」「tomcat」
- プログラム言語?「php」「java」
- 自分にできるか? (3Lv)
上記の場合、自分が「IT業界」に携わっている、もしくは携わる予定がある場合、選択候補になるとは思いますが、そうでないのなら技術的 に (友人を当てにしている時点で)「破綻」していると言わざるを得ません。選択候補から外すべきです。実際の仕事であればきっぱり断りましょう。
特にIT業界の場合は、作業時間を工数という基準で管理されています。わからないからと言って聞いて回ると他者の時間を奪う「工数泥棒」としてレッテルを貼られてしまいます。自分で解決できないのならキッパリと諦めるべきです。もしくは分からないことを理解するための計画を新たに立てましょう。
次に掘り起こした要素の一番深いLvに見込み時間を設定し、週間スケジュールに落とし込んでいきます。気をつけなければならないのは、重要な事柄を先にスケジューリングし、その後で細かな活動を計画に入れていくと言う事です。
重要性のプライオリティ
まずは、自分行っていることが4つの領域の中でどこに属しているのかということを整理しましょう。フリーランスにとって、この考え方が出来るか否かがその後の運命を分けてしまうと言っても過言ではありません。
たしかに第一領域は「緊急性」「重要性」ともに「高」ですが、生活スタイルの中心をこの領域に置いてしまうと、集中して物事を考える時間がなくなってしまいます。言わば考える余裕のない、崖っぷちの領域です。この領域に数時間身を置くことで精神に影響をきたすことは近年の研究で分かっています。
要は自分のスタイルを第二領域を中心に意識していくことが大切なのです。
ポイント
- 第一領域
緊急かつ重要(火消しに奔走、ストレスが溜る、燃え尽きる) - 第二領域
緊急ではないが重要(最優先で取り組む領域) - 第三領域
緊急だが重要ではない(解雇予備軍、他者に依存する人生で終わる) - 第四領域
緊急でも重要でもない(解雇予備軍、他者に依存する人生で終わる)
自分にとって「重要度」の高いタスクを中心に、じっくりと考えるられる第二領域に自分の身を置くように心がけるべきです。
おそらく「 【フリーランスの手帳術】01.価値観と目的を考える 」で作成された「価値観」に沿った目標であれば、それは苦にならないはずです。何故なら自分にとって有益である作業として自分が作成した目標だからです。
とはいっても、現実は甘くありませんね。組織に属している以上、ほとんどが第一領域、第三領域に費やされるのではないでしょうか・・
多くのエンジニアやプログラマが、30歳を境にこの壁にぶち当たります。「辞めていく人」、「転職する人」、「独立する人」、「会社に残る人」の多くを見てきました。
ただ、その行動では解決に向かうことは滅多にありません。転職しても、退職しても、次が違う環境だと保証されていないでのす。また同じことの繰り返しでやがて精神が病んでいきます。
話がそれてしまいましたが、強く協調したいのは重要性のプライオリティを間違えてはいけないということです。あなたの目指すべき立ち位置は常に「第二領域」であるべきです。
プライオリティ
- 第一領域 緊急性「高」 重要性「高」 A
- 第二領域 緊急性「低」 重要性「高」 AもしくはS
- 第三領域 緊急性「高」 重要性「低」 B
- 第四領域 緊急性「低」 重要性「低」 C
※ 優先事項の詳細については「 完訳 7つの習慣 人格主義の回復 」が非常に参考になりました。
週間目標の振り返り
週間スケジュールは毎週末に「週間目標の振り返り」の後作成します。
下の図はデイリーも念頭にPDCAが降られていますが、ITエンジニアの場合は大抵の作業がルーティン化しやすい為、週間と読み替えてください。 いずれ「デイリースケジュール」についても触れる予定です。
重要なのは1週間単位での行動を見える化し、イメージしながら過ごしていくことです。
「今日のタスク」>「今週のタスク」>「今月のタスク」>「今年のタスク」の積み上げが「目標の達成」となるのです。常に自分自身の現在位置を把握するようにしてください。
そのために、「 フリーランスの手帳術:04.月間スケジュール 」の数値による管理と同様に、「週間スケジュール」も 必ず「目標:●● 達成率:80%」等のように、今週の成果を「目に見える形」で管理することです。
目標への行動計画やその振り返り方法について「
お金と心を動かす手帳術
」を参考にさせていただきました。非常に良い本だと思いますが、このタイトルのせいで損をしている気がしてならないです。とてもいい本でした。