独立準備・確定申告

フリーランスが支払う税金の種類と各種控除とは?

2020年5月1日

会社員を辞め、晴れてフリーランスとして独立。不安もありながら、着実に仕事をこなしていく中で、少しずつ自信もついてくるでしょう。

しかし、どれだけ仕事が順調だとしても、疎かにしてはいけないのが“税金”です。会社員時代は「税金なんて気にしたことがない!」という人がほとんどですよね。

それもそのはず。税金関連の面倒な手続きは、全て会社がやってくれていたからです。ですが、フリーランスになったからには、税金なんて知らないでは済まされません。

本記事では、フリーランスが支払う税金について紹介するとともに、利用できる控除についてもご紹介していきます。

ーランスが払う税金って?

でははじめに、フリーランスが払う税金について解説していきます。それぞれどのように金額を計算したらいいのかも、合わせてお伝えします。自分が支払う税金の額を計算し、きたるべき支払いに備えましょう!

1. 所得税

フリーランスが支払う税金一つ目が「所得税」です。所得税とは、1年間の自分の“所得”に対して掛かる税金です。この所得は、収入とは明確に異なります。収入とは「売上」と同義ですが、所得は「収入から経費と控除を引いたもの」です。計算式は、以下のようになります。

  • 所得 = 収入 - (経費 + 控除額)

そして、この所得額に応じた税率をかけることで、所得税を計算することができます。“所得に応じた税率および控除額”については、下記をご参照ください。 ※控除については後述します。

※参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」

2. 住民税

フリーランスが支払う税金二つ目は「住民税」です。住民税は、2種類に分けられます。

  • 昨年度の所得に課税される「所得割」
  • 住んでいる地域で決まる「均等割」

“所得割”は、昨年度の所得に税率10%をかけた金額となります。そのため、会社員を辞めたフリーランス1年目は、前年の会社員時代の所得がベースとなるので注意が必要です。

“均等割”は、住んでいる都道府県および市区町村によって支払う金額が決まります。東京都23区在住の場合、都民税1,500円 + 市区町村税3,500円 = 5,000円が均等割の金額となります。

この金額については、各市区町村の役所で確認することができます。

※参考:東京都主税局「個人住民税」

3. 個人事業税

フリーランスが支払う税金三つ目は「個人事業税」です。あまり聞きなじみのない税金ですが、その名の通り“個人事業主に課せられる税金”で、事業の所在地としている各都道府県に納める必要があります。

この税金も、所得税と同様に年間の所得に対して掛かる税金です。しかし、所得税と違うのは、“所得合計が290万円を超えた場合”という点です。

そのため、所得合計が290万円を超えなければ、納税義務は発生しません。支払う必要がある場合は、確定申告後に各都道府県から納付書が届くでしょう。

気になる金額ですが、これは事業の業種によって税率が変わります。税率の幅は3%~5%となっています。各業種がいくらの税率となるかは、下記の東京都主税局のWebサイトをご参照ください。

※参考:東京都主税局「個人事業税」

4. 消費税

フリーランスが支払う税金四つ目は「消費税」です。ここでいう消費税は、買い物などで勝手に引かれている消費税とは違います。消費税の納付義務が発生するのは、以下の条件を満たした時のみです。

・消費税納付義務の発生条件 : 2年前の課税売上が1,000万円を超えた場合

 ※2020年を基準とした場合、2018年の課税売上で判断

「課税売上」とは、通常の仕事による売上(収入)と考えていただいて差し支えありません。2年前の課税売上が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します。金額の算出方法は、次の通りです。

・(課税売上)-(課税仕入れ)× 消費税率 = 納付税額

 ※消費税率は軽減税率の影響で、ものによって税率が8%か10%に変わります。

「課税仕入れ」とは、一言でいうと経費のことです。仕入れ代や事務用品、交通費など、事業のために掛かったお金が課税仕入れです。

フリーランスを始めたばかりの人で、いきなり年間売上が1,000万円を超える人はそう多くはないはず。そのため、すぐに納付が発生する税金ではないですが、仕事が軌道に乗って売上が増えていくにつれ、納付義務も近づいてきます。

「支払うお金がない!」ということがないように、おおよその金額を把握して、計画的に納付するようにしましょう。

※参考:国税庁「No.6355 課税売上げと課税仕入れ」

利用できる控除について

ここまで、フリーランスが支払う税金について、解説してきました。税金は納付義務があるので、支払わなければいけないものです。とはいえ、支払う金額が少ないなら、それに越したことはないですよね?

実は税金の支払い額が少なくなる「控除」という制度があります。ここからは、利用できる控除制度を一部ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 基礎控除

「基礎控除」は、所得額に応じて、所得から差し引くことができる控除制度です。控除制度はほとんどが条件付きですが、基礎控除については特に基準などなく、所得額に応じた一定額を差し引けますので絶対に利用しましょう!

※参考:国税庁「No.1199 基礎控除」

2. 医療費控除

医療費控除」は、1年間で医療費に掛かった金額を、所得から差し引くことができる控除制度です。ただし、医療費全額を控除できるわけではなく、10万円を超えた金額のみです。

  • 例:年間医療費13万円-10万円=3万円が控除額

ただ、あまり知られていないのが、この医療費は世帯全体で申請できる点です。つまり、個人では医療費が10万円以下でも、家族全体で10万円を超えていれば控除の対象となりますので、積極的に活用しましょう!

※参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

3. 小規模企業共済等掛金控除

次にご紹介するのが「小規模企業共済等掛金控除」です。何だか耳慣れない言葉ですよね。まず小規模企業共済というのは、経営者や個人事業主のための退職金制度のことです。

会社員と違い経営者や個人事業主には退職金がないため、そういった人達のためにある制度です。月々の掛金を1,000円~70,000円までの間で自由に設定できます。

そして、この掛金については、全額控除にできる制度が「小規模企業共済等掛金控除」です。老後に備えて積み立てるだけでなく、節税もできるというお得な制度です。小規模企業共済を利用することで、今と未来のお金を守りましょう!

※参考:国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」

※参考::中小機構「小規模企業共済とは」

4. 租税公課

最後にご紹介するのは「租税公課」です。これは控除制度ではなく、経費として計上できる税金のことです。所得というのは、収入から経費と控除を引いた額ですので、経費を多く計上することでも所得税を下げることができます。租税公課にできる税金は、主に以下の通りです。

  • 租税公課になる税金:個人事業税、自動車税、固定資産税(持ち家を仕事場としている場合)、印紙税など

特に個人事業税は、個人事業主特有の税金ですので、経費計上して所得税を下げましょう。

※参考:国税庁「No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」

以上、利用できる控除制度や租税公課について、その一部をご紹介しました。控除制度については、他にも利用できるものがありますので、下記の国税庁のWebページをご参照ください。

※参考:国税庁「所得金額から差し引かれる金額(所得控除)」

知らないでは済まされず、知らないと損をするのが税金

フリーランスが支払う税金と利用できる控除制度等についてご紹介してきました。冒頭でも申し上げたとおり、税金を納めることは義務です。知らなかったでは済まされません。

支払わなければいけないものは、きちんと支払いましょう。ですが、税金と同時に控除制度というのも、あまり知られていません。本当は支払わなくてもいいのに、もっと安くなるのに“知らないがゆえに多く支払ってしまっている”ということは往々にしてあります。

そこで「なんで国や自治体は教えてくれないんだ!」と怒っても仕方ありません。“知らなければ損をする”というのが世の常です。自分の資産を守れるのは自分だけです。支払うべきものは支払い、利用できる控除制度は利用して、自分の資産を守っていきましょう!

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