「クラスとオブジェクトって何?」と聞かれると、難しそうに聞こえるかもしれません。でも心配はいりません。
この記事では、なるべくシンプルな例を使って、クラスとオブジェクトの使い方を実際に動かしながら体験してみます。
Java の基礎知識
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├─【Java入門⑦】メソッドで処理を整理して再利用しよう
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クラスとオブジェクトってなに?
いよいよJavaの基本構造「クラスとオブジェクト」の登場です。難しく聞こえるかもしれませんが、 実はとても身近な考え方です。ここでは日常のたとえも交えて、まずはイメージをつかみましょう。
クラス=設計図、オブジェクト=実体
Javaでは、プログラムの部品を「クラス」として作ります。 そのクラスをもとに、実際に動くもの(データのかたまり)を作ったものが「オブジェクト」です。


つまり、設計図を使っていくつも実体(オブジェクト)を作れるというわけです。
たとえるなら「クッキー型」と「クッキー」
もう少し身近なたとえでいうと、「クラス」はクッキー型、「オブジェクト」は焼き上がったクッキーです。
- クッキー型(クラス)は何度でも使える
- 型が同じでも、チョコ入り・イチゴ味など中身は変えられる


この考え方をつかむだけでも、Javaの世界がグッと身近になります。 次は、実際にクラスを定義して、自分だけの設計図を作ってみましょう!
実際にクラスを定義してみよう
クラスとオブジェクトの仕組みがわかったら、いよいよ自分でクラスを作ってみましょう。 ここでは「名前」と「年齢」をもつ簡単なクラスを定義して、それを使って動かす準備をします。
名前と年齢を持つPersonクラスを作ってみる
まずはクラスの設計図を作ってみましょう。「名前」と「年齢」をもつ人を表すクラスです。
public class Person {
String name;
int age;
}


この「name」「age」が、クラスの中の情報(フィールド)です。 次は、このPersonクラスにちょっとした動作を加えてみましょう。
フィールド(変数)とメソッドを用意しよう
「こんにちは!」と自己紹介するような処理を、Personクラスに追加してみます。
public class Person {
String name;
int age;
void sayHello() {
System.out.println("こんにちは!私は" + name + "、" + age + "歳です。");
}
}


次のセクションでは、このクラスからオブジェクトを作って、実際に動かしてみましょう。
オブジェクトを作って使ってみよう
前のセクションで作成した「Personクラス」は、まだ設計図の段階でした。 ここでは、その設計図をもとに実際のオブジェクトを作り、動かしてみます。 Javaにおける「オブジェクト」の基本操作を体験してみましょう。
newでオブジェクトを作成してみよう
クラスからオブジェクトを作るには、new というキーワードを使います。 これは「このクラスの新しい実体を作ってください」という命令になります。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Person p = new Person();
p.name = "ルーキー";
p.age = 20;
}
}


このようにして、クラスに基づいたオブジェクト(実体)を作ることができます。
フィールドやメソッドにアクセスしてみよう
作成したオブジェクトには、次のようにして情報を入れたり、メソッドを呼び出すことができます。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Person p = new Person();
p.name = "ルーキー";
p.age = 20;
p.sayHello();
}
}
出力結果:
ターミナル
こんにちは!私はルーキー、20歳です。


このように、Javaでは「クラスで設計 → newで生成 → フィールドやメソッドを使って動かす」流れが基本になります。
次は、同じクラスを使って複数のオブジェクトを作ることで、プログラムがどれだけ柔軟に動くのかを体験してみましょう。
複数のオブジェクトを作ってみよう
オブジェクトを1つ作って動かすだけでも面白いですが、Javaでは同じクラスからいくつでもオブジェクトを生成できます。 ここでは、複数のオブジェクトを作って、それぞれに違う情報を入れて動かしてみましょう。
同じクラスでも中身が違うオブジェクト
同じPersonクラスから、2人分のオブジェクトを作って、それぞれ異なる情報を入れてみます。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Person p1 = new Person();
p1.name = "ルーキー";
p1.age = 20;
Person p2 = new Person();
p2.name = "ビープロ";
p2.age = 30;
p1.sayHello();
p2.sayHello();
}
}
出力結果:
ターミナル
こんにちは!私はルーキー、20歳です。
こんにちは!私はビープロ、30歳です。


このように、クラスは共通の構造を持ちつつも、個別のデータを保持できるオブジェクトを何個でも作ることができます。
複数の人を一括で表示してみよう
今度は、オブジェクトを配列でまとめて、ループで順番に自己紹介させてみます。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Person[] people = new Person[3];
people[0] = new Person();
people[0].name = "ルーキー";
people[0].age = 20;
people[1] = new Person();
people[1].name = "ビープロ";
people[1].age = 30;
people[2] = new Person();
people[2].name = "ジャバオ";
people[2].age = 25;
for (int i = 0; i < people.length; i++) {
people[i].sayHello();
}
}
}
出力結果:
ターミナル
こんにちは!私はルーキー、20歳です。
こんにちは!私はビープロ、30歳です。
こんにちは!私はジャバオ、25歳です。


このようにJavaでは、オブジェクトをたくさん作っても、配列やループを使えばすっきりまとめて処理できます。
次は、まとめとしてクラスとオブジェクトの関係をもう一度整理してみましょう。
まとめ:クラスとオブジェクトはJavaの「核」
今回は、クラスの定義からオブジェクトの生成、メソッドの呼び出しまでを体験しました。 「クラス=設計図」「オブジェクト=実体」という考え方が、Javaの基本でありすべての土台になります。


ここまでの学習で「Javaって意外と触れる!」という感覚がつかめたなら、もう第一関門はクリアです。
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▶ 次は「クラスの活用例」へステップアップ!
次回は、オブジェクト同士が連携したり、クラスをさらに整理する方法を学んでいきます。 いよいよJavaらしい「拡張」や「再利用」が見えてきますよ!
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