
「プログラマーの世界は実力社会で厳しい」
「常に技術進歩に追いつかなければ生き残れない」
「企業が求めているのは即戦力だ」
プログラマーを目指したいと話すと、こんな言葉で釘を刺された経験はありませんか?
私はあります。
当時ホテル業に従事していた私は、同僚に「WEB系に進みたい」と打ち明けたところ、返ってきたのはこうした言葉でした。もちろん引き止めの意図もあったでしょう。
ただし、プログラマーの世界は修羅の国ばかりではありません。2025年の今は、オンライン研修や社内教育制度を整え、未経験者をゼロから育てている企業が以前よりも増えています。
リモートワークや副業解禁の流れの中で、研修制度を活用しながらキャリアをスタートできる道は確実に広がっているのです。
もしプログラマーになるための知識ややり方を、実務に直結する形で教えてもらえるなら、独学だけに頼るよりも効率的に学べますよね。
今回は、そんな「研修制度で未経験から育成する会社」が実際に存在するのか、その真偽を私の経験と最新状況を交えて解説していきます。
未経験からのキャリア転身
🔴 未経験からのキャリア転身
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会社が未経験者を研修してくれる意義

プログラマーになりたいあなた。
しかし独学では何の勉強をどのように始めたら良いか分かりません。
そんな人にとって、プログラミングを教えてもらえる制度がある会社は願ったり叶ったりでしょう。
なんせお金をもらって学校に行くようなものですから。
でもちょっと待って下さい。
本当にそんなうまい話があるでしょうか?
そんなことをして会社は何のメリットがあるのでしょうか?
こういった求人には大きな落とし穴が潜んでる可能性もあります。
しかし一方で、本当に研修でゼロから教育してもらえる会社もあるそうです。
私は知りませんが、あっても不思議ではないと思います。
特に今後は増えていくでしょう。
大きくわけてその2つのケースと会社側の意義を解説してみましょう。
(A)そんなのは嘘!とにかく人手がほしいブラック企業の罠

1つ目のケースは、研修は1日で終わり、2日目からはさっそく実戦配備される会社です。
未経験のあなたは当然1日やそこらで何かができるようになったわけもなく、ただただ責任と納期だけを言い渡されます。
先輩に聞こうにも、なんて質問すればいいのか、どこがわからないのかもわからず、忙しそうな先輩には聞くに聞けません。
また、プログラマーとして雇われたはずなのに、いつまでたっても安月給で雑用仕事ばかりやらされることも。
あるいはその両方という最悪のパターンもあるでしょう。
こういった会社には未経験者を教育しようなんて気はさらさらありません。
おそらく会社自体が自転車操業で火の車のように燃えながら走ってきたのでしょう。
会社自体がそうですから、従業員にもその価値観を押し付けてきます。10人雇って1人でも残ればいいのです。
その会社からすれば、その人ができる人なので。会社はそれでいいでしょうが、あなたとしてはどうでしょう?
きっとこんなはずではなかった!と後悔するこでしょう。
テスターにアサインされたら注意
さらに危ないのが、ここで「テスター要員」に回されるケースです。
一度テスターにアサインされると、うまくおだてられて「君はテスト慣れてるから」と毎回テスト業務ばかり任されるようになります。
テスターの仕事は「手順書通りに動かす→OK/NGを報告」で終わることが多く、誇れるスキルが積み上がりにくいのが現実です。
その結果、気づけば30歳前後で後輩エンジニアに抜かれていき、キャリアの選択肢が狭まってしまう。
最悪の場合「ITは向いてない」と業界から離れてしまう人もいます。
テスター経験自体が悪いわけではありませんが、成長の道筋が見えないまま固定されるのは要注意です。
私の知る限り、少なくとも一昔前はこういった会社は少なくありませんでしたし、今でも形を変えて存在しています。
特に2025年現在では「研修」という言葉を使いながら、実態は研修費用を社員から差し引く、返還条項を契約に仕込む、研修と称して客先常駐に回すといった手口も増えています。
もし未経験でプログラマーとして内定できたら、浮かれずにその会社の研修制度を徹底的に調べましょう。
研修の期間・内容・メンター制度の有無、研修後の配属先と仕事内容、待遇や契約条件。
こうしたポイントを面接や求人票で確認するだけでも、ブラックかどうかを見抜ける可能性はぐっと高まります。
(B)我が社に共感して長期間働いてくれるなら、教育コストも惜しまない

一方で、未経験者を本気で育てる前向きな会社もちゃんと存在します。
研修制度をアピールしているのは飾りではなく、実際に新人をゼロからエンジニアとして育て上げることに投資しているのです。
名前の知られた企業や、大手のグループ会社などで見かけるケースもあり、少なくともブラック企業のような悪評は立っていません。
理由はシンプルです。IT業界は慢性的な人手不足で、優秀な経験者はすでに居場所が決まっている。
転職市場に出てくる人材は事情を抱えていたり、クセが強かったりすることもある。
そう考えると、コストがかかっても未経験者を研修で自社流に育てた方が、長期的には安定して戦力を確保できるのです。
こういった会社は「入社してすぐ戦力」ではなく「3年後に一人前のプログラマーになる」ことを前提に採用しています。
だからこそ、せっかく育てた人に辞められるのは困るので、待遇や働きやすさを軽視することはしません。
給与水準、労働環境、キャリア支援など、一定以上を用意して「長く働きたい」と思わせる仕組みを整えています。
その代わり、採用にあたっては面接で人間性やポテンシャルを徹底的に見られます。ス
キルよりも「会社のカルチャーに合うか」「仲間と一緒に学べるか」を重視するのが特徴です。
さらに裏側にはもう一つ理由があります。
経験者の採用は一見コストが安いように見えても、逆にやっかいな場合があるのです。
たとえば、その人が過去の職場流儀を強く引きずっていたり、自社のやり方や独自フレームワークを「非効率だ」と否定してしまうとチームがかき乱されます。
それなら、まっさらな未経験者を素直に自社の流儀に染めた方が安心して活躍してもらえる、という理屈です。
未経験から入ったあなたにとっても、こうした会社は大きなチャンスです。
教え合いながら学ぶ環境は仲間意識を育て、会社からも「投資されている」と実感できます。長期的にキャリアを築きたいなら、まさにこうした会社を狙うべきでしょう。
未経験プログラマーなら断然、研修のある会社に就職したい

自明の理でしょう。
会社がコストをかけてあなたを育ててくれるんです。こんなにオイシイ話、そうそう転がってませんよね?
研修制度があるだけで「この会社は未経験でも本気で育てるつもりだ」と分かるんですから、狙う価値は十分にあります。
ただし、誰でもウェルカムってわけじゃないんです。
研修って数年先の活躍を見込んで投資してるわけだから、40代未経験を採るようなケースはほとんどありません。
現実的に一番採られやすいのは20代。ここは素直に認めた方がいいです。
じゃあ30代以上は完全にダメなのか?って言うと、そうでもない。チャンスはあるんです。
ただし20代みたいに「やる気あります!」だけじゃ刺さらない。具体的に「自分はここまでやってきましたよ」と示すものが必要になります。
例えば、自分で作った小さなWebサービスやアプリ。GitHubにコードを載せておくだけでも全然違います。
スクールを卒業していれば証明書や推薦状を出せるし、資格だって武器になります。
要するに20代は“ポテンシャル勝負”でも通るけど、30代以上は“証拠勝負”に切り替えないといけない。
そこを理解して準備している人だけが、研修制度を使ってキャリアチェンジできるんです。
求職者と会社では研修の意味が違う

ここからは、プログラマー未経験者が求人票を見てよくやらかす勘違いについて話しましょう。
募集要項に「研修制度あり」「未経験可」「初心者歓迎」と書かれていると、つい「ゼロから全部教えてもらえるんだ!」と思い込んでしまうんですよね。
でも実際は違います。
会社が言う「研修」とは、プログラミングの基礎を一から叩き込むことではなく、あくまで「社内ルールや業務フローの説明」のことを指している場合がほとんどなんです。
実際にこんなケースもあります。
ある未経験の人が「研修制度あり」に安心して面接を受けに行ったところ、面接官から「じゃあ作品とか見せてもらえます?」と聞かれました。
そこで「ありません。これから御社の研修でプログラミングを教えていただこうと思っています」と堂々と答えてしまい、場の空気が凍りついたそうです。
会社からすれば「誰がゼロからプログラミングを教えると言った?」という話なんですよ。
このように、「研修制度あり」「未経験可」「初心者歓迎」といったものでも、基本的にある程度はプログラミングを習得していることが前提となっていることが大半です。
未経験歓迎の求人でも、最低限のプログラミング基礎は自分で学んでおくことが前提だと思っておいた方が安全です。
プログラマー研修のある会社をどうやって探すの?

「研修制度あり」「未経験可」「初心者歓迎」という条件は同じでも、一方はある程度できるのが前提、もう一方はゼロから教えてもらえる。
ならばどうやって後者のような会社にめぐり合えばよいのでしょうか?
プログラマー研修のある会社の探し方20代編
まず20代向けに説明します。
プログラミング未経験者で会社が行う研修をプログラミング勉強のあてにしているのであれば、基本的にはダメでもともとということで、とにかく数をこなしましょう。
片っ端から面接に行って下さい。
ただし、2025年現在は「やる気あります!」だけでは通りにくくなっています。
面接で最低限ポートフォリオやGitHubにサンプルコードを載せている人と比べられるので、ほんの小さな成果物でも用意しておくのが当たり前になっています。
10箇所20箇所と受けて採用になるならラッキー、という点は変わりませんが、武器を持たずに挑むともっと厳しいです。
面接の際には自らのポテンシャルをアピールする一方で、素直さが伝わるようにしましょう。
便達者やひねくれ者なイメージがあると「この人を教育しよう」と思われにくいです。
学校でもヤンチャな不良や喋ってばかりの子は先生から煙たがられてましたよね?今回は先生に気に入られる子を演じて下さい。
研修制度のある会社を探すには、IT系の求人転職サイトやハローワークに加えて、2025年現在では「リスキリング支援制度」や「国の助成金を使った未経験者採用枠」なども活用できます。
こうした制度を使う企業は教育に本気なことが多いので、狙い目です。
しかし、ここまで述べたように“思っている研修制度”かどうかはわかりませんので、面接で確認する他ありません。
その上で採用されたら、ブラック企業の可能性を注意深く疑います。
検索する際は「OpenWork」「転職会議」などの口コミサイトが実用的です。
「会社名 評判」で調べて、過去に問題が話題になっていないかを確認しましょう。
また、SNS(XやFacebookなど)で社長や社員の実名を検索するのも有効です。
こちらの場合、悪い情報が出て来る可能性は低いですが、人となりや交友関係が見えることがあります。
個人的経験ですが、従業員側が積極的に仕事のことを発信している会社は、だいたい健全であることが多いです。
悪い情報と良い情報を多角的に取得して、結論を出すようにしましょう。
プログラマー研修のある会社の探し方30代編
概ね20代と同じなのですが、30代になりますと、会社の選考基準が20代よりシビアになってしまいます。
30代で異業種転職をしてまでプログラマーになりたい動機は何なのか?これは非常に重要といえます。
「プログラマーになりたい」だけでは絶対に足りません。
むしろ、そうやって職を転々としてきた人だという印象にも繋がりかねず、マイナスになる可能性すらあります。
また、やる気やポテンシャルは具体的な成果物や学習の実績をもって証明する必要があります。
2025年現在では、転職サイトや企業の採用ページでも「GitHubのURLを提出してください」「ポートフォリオ必須」と明記されるケースが一般的になりました。
となると、もはやプログラミングスキルゼロのままでは厳しく、最低限の作品や学習履歴を持っていることが前提になっています。
作品を作ったなら作っただけの、スクールに通ったならそれ相応の知識や技術が身についています。
(そう考えると、30代で「研修に頼ればなんとかなる」という考えに固執するのは現実的ではないでしょう。)
20代にせよ30代にせよ、会社側がお金をかけて育てようと思うからには、合理的な理由以外に人間的相性のマッチングがあります。
社長や上司、教育担当者が「我が社ならこの人を育てて伸ばせる」と思うこと、社風と合っていること、気が合う・話がしやすいことなどです。
実際、成績優秀な某エリート大卒の新人と、プログラミング未経験でも副業で簡単なWebサービスを作って公開している30代の社会人経験者なら、私なら後者の方が即戦力に近く、育てやすいと感じます。
こうなると根気よく探すことに加え、行動力や運の要素も求められます。
20代〜30代前半におすすめのITスクール
未経験からプログラマーを目指す方に向けて、特に評判が高いITスクールを3つご紹介します。プログラマカレッジ
10代、20代の方でこれからプログラマーを目指すなら、無料で学ぶことができる「プログラマカレッジ」をおすすめします。受講料が0円で学べる仕組みや、就職支援の内容が充実しているため、最初の一歩として検討する価値があります。テックキャンプ
20代で未経験からエンジニアを目指すなら、短期間で実践スキルを身につけられる「テックキャンプ」も選択肢の一つです。転職成功率97%という実績があり、転職できなければ全額返金保証付き。通学とオンラインどちらにも対応しているので、ライフスタイルに合わせて柔軟に学習可能です。僕のAIアカデミー
「僕のAIアカデミー」は、AIをキャリアや副業に活かす実践型オンラインスクールです。 ただし、流行に任せて安易に選択すると「こんなはずじゃなかった」という後悔につながる危険もあります。その理由を以下で整理します。- トレンドに飛びついただけでは、基礎を飛ばして表面的な操作スキルで終わり、企業で通用しない
- 転職活動では「AIは触れるが設計や基盤はできない」と評価され、キャリアが行き詰まる
- 短期的な期待だけで選ぶと、結局はスキルも収益も身につかず「こんなはずじゃなかった」と後悔する
- 第一階層:ITリテラシー(PC操作・ネットワーク基礎)
- 第二階層:プログラム言語(JavaやPythonなど)
- 第三階層:設計スキル(要件定義・設計書作成・アーキテクチャ理解)
- 第四階層:AP基盤スキル(ミドルウェア・サーバー・クラウド)
- 第五階層:運用スキル(監視・セキュリティ・障害対応)
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まとめ

プログラマー未経験者が研修制度のある会社でプログラミングを習得する、という道筋がイメージつきましたでしょうか?
甘い言葉に釣られれば、ときに痛い目にあい、稀に本当に甘いものにありつけ、大半の場合は何の成果も得られないと思います。
私としては、プログラミングは特殊な機材や環境がなくとも、家にPCとネット環境さえあれば十分勉強可能なので、「自分で勉強すればいいじゃん」と思ってしまいますが、やはりどうしても自分で進んで勉強はできない、やり方がわからない、という人もいるでしょう。
そうした方には、ゼロから育ててくれる研修制度はとても貴重でとても大切だと思います。
しつこいようですが、そんな会社はたくさんはありません。
非常にレアです。
やっとの思いで探して、しかも運良く採用される可能性は1桁でしょう。
どうしても自分で勉強できない方でそれでもプログラマーになりたいと思うならば、頑張って探してくださいとしかいえませんが、自分で勉強できるなら、そういった数%の確率に賭けるなら、地道な勉強で確実に成長を遂げた方が前向きなような気がします。
プログラミング研修制度を目的にして、何十回も面接で落ちてしまう時間があれば、十分勉強可能ですから。
とはいえ、私もIT業界のプログラマーの端くれとして、このような考え方ではいつまでたっても人が足りないままという意見もあります。
そのため、現時点ではレアな新人教育研修制度は、今後は増加傾向で推移していくと予想しています。
IT業界はまだまだ発展途上で進化を遂げていますが、日本では少子化もありさらに人手不足になるでしょう。
コストをかけて人を育てることが当たり前になるには、時間がかかりそうですが、そうなっていかないと世界に追いつけません。
プログラミングが義務教育に組み込まれる、研修制度が当たり前になる、将来的にはそんな社会になるかもしれません。


