未経験からのキャリア転身

中途採用でITエンジニアになるための4つの秘訣

IT業界は生成AIやクラウドサービスの普及、サイバーセキュリティ需要の高まりなどを背景に、今後も成長が見込まれる分野とされています。

その流れを受け、近年は異業種からITエンジニアへの転職を目指す人が一層増加しています。

この記事では、未経験から中途採用でプログラマーへキャリアチェンジするための具体的なポイントを紹介します。

未経験から中途で採用されるのか?

最近、異業種からプログラマーを目指す人が増えているようです。

実際のところ、未経験者が中途採用でプログラマーになれるのでしょうか?

はい。

未経験者でも中途採用された方はたくさんいます。

未経験者でも採用されるのには、いくつかの理由があります。

深刻な人材不足

システムの開発現場は、人材不足が問題になっています。

IT業界全体でみても、経済産業省の発表によれば、2030年には78万人もの人材が不足すると予測されています。

この見通しは古いものではなく、最新の調査でも裏付けられています。

Linux Foundation Japan が2025年6月に発表した「Tech Talent Report Japan 2025」では、94%の組織がアップスキルを最優先にすると回答し、特にAI、クラウド、サイバーセキュリティ分野での人材不足が深刻化していると指摘されています。

こうしたデータからも明らかなように、今後発展し続けるIT業界においてプログラマーは全く足りていません。つまり、未経験者にとっても挑戦の余地は大きく、努力次第で企業から求められる人材になれる可能性があります。

そのため、中途採用の対象として即戦力となる人材だけではなく、異業種からもやる気のある人材を採用して一人前のエンジニアに育て上げるようとする企業が増えています。

スマートフォンの普及

近年、スマートフォンが急速に普及し、私達の生活になくてはならないものになりつつあります。

その開発現場の特徴として、パソコンのソフトウェア開発を担ってきたプログラマーよりも、新規でプログラマーを雇用するケースが多いことが挙げられます。

パソコンとスマートフォンでは、操作方法など異なる点が多くあります。

パソコン向けアプリケーションの開発に慣れたエンジニアが、スマートフォン向けのアプリケーションを作ると、使いづらいものができあがってしまうことがあるため、先入観のない未経験者が好まれるようです。

未経験者でも、転職可能ということは理解できました。

では、転職に成功するためのポイントなど、教えてもらえませんか?

わかりました。

未経験から中途採用でプログラマーに転職するための4つの秘訣を紹介します。

1. プログラミングの技術を身につける

未経験OKの求人に応募するとはいえ、プログラミングを全く知らない状態では、転職に成功する確率はゼロです。

まずは、プログラミングの技術を身につけましょう。

プログラミングの技術を身につけるには、まず、プログラミングスクールに通うか、独学で学習するか選択する必要があります。

私がオススメしているのは、プログラミングスクールでプログラミングを学ぶ方法です。

A. プログラミングスクールを活用する

プログラミングスクールのメリット

プログラミングスクールの大きな強みは、効率的かつ体系的に学べることです。

独学では理解が難しい部分も、講師やメンターにその場で質問できるため、つまずきを最小限に抑えられます。

さらに、現役エンジニアが監修したカリキュラムや最新の技術動向を取り入れた教材を通じて、現場で求められるスキルを実践的に身につけられる点も魅力です。

加えて、周囲に同じ目標を持つ仲間がいることで、学習意欲を維持しやすくなります。

オンライン形式でもコミュニティやチャットを通じて情報交換ができ、孤独感を減らしながら学習を続けられます。

転職サポート付きのスクールでは、ポートフォリオ制作や模擬面接などキャリア面の支援も受けられるため、未経験から転職を目指す人には特にメリットが大きいと言えます。

プログラミングスクールのデメリット

一方で、プログラミングスクールにはデメリットも存在します。ま

ず大きいのは費用で、一般的に数十万円規模の受講料が必要です。

コース内容やサポート体制によっては半年間で50万円以上かかることもあり、独学に比べれば大きな負担になります。

また、学習スケジュールはスクールのカリキュラムに沿って進むため、自分のペースで学びたい人には負担になる場合があります。

特に通学型スクールでは、通学時間や指定された授業時間に合わせてライフスタイルを調整する必要があり、仕事や家庭との両立が難しいケースもあります。

オンライン型であっても進捗管理が厳しく設定されている場合は、自由度が制限される点に注意が必要です。

プログラミングスクールを選ぶポイント

プログラミングスクールを選ぶ前に、まず「自分がエンジニアとしてどのような分野で活躍したいか」を明確にすることが重要です。

その方向性によって学ぶべき言語やスキルが大きく変わります。

例えば、生成AIやデータサイエンスに挑戦したいのであれば「Python」、Webアプリや動的なサイト開発を目指すなら「JavaScript」やそのフレームワーク(React、Next.jsなど)、スマートフォンアプリなら「Kotlin」(Android)や「Swift」(iOS)が主流です。

Javaは依然として業務システム開発に強みがあり、学習対象として有効ですが、Objective-Cは現在ではSwiftに置き換わっています。

次に受講期間ですが、集中型の短期(3か月程度)から半年〜1年かけて学ぶコースまで幅広く用意されています。

未経験から転職を目指す場合は、自分のライフスタイルや学習時間を踏まえ、無理なく継続できる期間を選ぶことが大切です。

さらに重要なのが「転職サポートの有無」です。

単にプログラミングを学ぶだけではなく、ポートフォリオ制作の支援、求人紹介、面接対策などを一貫してサポートしてくれるスクールを選ぶことで、転職成功率が大きく高まります。

代表的な例としては、未経験から中途採用でエンジニア転職を目指す人向けに実績のある「テックキャンプ」や、実務に直結したカリキュラムと手厚いキャリア支援が特徴の「RaiseTech」などが挙げられます。 

未経験のITエンジニア転職なら【TECH::EXPERT】

B. 独学でプログラミングを学習する

地理的な理由などでプログラミングスクールに通うことが難しければ、プログラミングを独学で学ぶことになります。

覚悟を持って望めば、プログラミングは独学でも充分、技術を身につけることができます。

書籍で勉強ではなく、プログラミングの学習サイトを活用しましょう。

プログラミングの学習サイトを選ぶポイントを2つ紹介します。

動画で学習できるサイトを選ぶ

プログラミング学習を効率的に進めるには、動画教材を活用できるサービスを選ぶことが重要です。

動画は実際の画面操作やコード記述を視覚的に確認できるため、テキストだけでは理解しづらい部分もスムーズに学べます。

代表的な例としては、短時間で要点を学べる ドットインストール、多彩な講座が揃う Udemy、スライド+演習形式で学べる Progate などがあります。

自分に合った形式の動画学習サイトを選ぶことで、モチベーションを維持しながら習得を進められます。

有料のサービスを選ぶ

本気で転職を目指すなら、有料サービスを検討するのがおすすめです。

無料教材は入門には適していますが、内容が断片的で応用力を身につけるのは難しい場合があります。

有料サービスでは、最新技術を反映した体系的カリキュラムや、現役エンジニアによる質問サポート、ポートフォリオ制作の指導まで提供されるケースが多いです。

例えば、転職支援が充実している テックキャンプ エンジニア転職 や、実務直結型のカリキュラムを持つ RaiseTechなどは、学習から就職まで一貫してサポートしてくれる点が強みです。

20代〜30代前半におすすめのITスクール

未経験からプログラマーを目指す方に向けて、特に評判が高いITスクールを3つご紹介します。

プログラマカレッジ

10代、20代の方でこれからプログラマーを目指すなら、無料で学ぶことができる「プログラマカレッジ」をおすすめします。受講料が0円で学べる仕組みや、就職支援の内容が充実しているため、最初の一歩として検討する価値があります。

プログラマカレッジ

テックキャンプ

20代で未経験からエンジニアを目指すなら、短期間で実践スキルを身につけられる「テックキャンプ」も選択肢の一つです。転職成功率97%という実績があり、転職できなければ全額返金保証付き。通学とオンラインどちらにも対応しているので、ライフスタイルに合わせて柔軟に学習可能です。

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僕のAIアカデミー

「僕のAIアカデミー」は、AIをキャリアや副業に活かす実践型オンラインスクールです。 ただし、流行に任せて安易に選択すると「こんなはずじゃなかった」という後悔につながる危険もあります。その理由を以下で整理します。
  • トレンドに飛びついただけでは、基礎を飛ばして表面的な操作スキルで終わり、企業で通用しない
  • 転職活動では「AIは触れるが設計や基盤はできない」と評価され、キャリアが行き詰まる
  • 短期的な期待だけで選ぶと、結局はスキルも収益も身につかず「こんなはずじゃなかった」と後悔する
本来のITスキルは以下のように階層的に積み上げる必要があります。
ITスキル習得階層
  • 第一階層:ITリテラシー(PC操作・ネットワーク基礎)
  • 第二階層:プログラム言語(JavaやPythonなど)
  • 第三階層:設計スキル(要件定義・設計書作成・アーキテクチャ理解)
  • 第四階層:AP基盤スキル(ミドルウェア・サーバー・クラウド)
  • 第五階層:運用スキル(監視・セキュリティ・障害対応)
AIはこのすべてを横断する“土台”として位置づけられるスキルです。 だからこそ基礎を固めたうえでAIを学べば、「与えられた仕事をこなす人材」ではなく「AIを武器に自ら収益を生み出す人材」へと進めます。 「僕のAIアカデミー」は、その逆転を可能にする実践環境を提供しています。

AIによる副業・起業力を高める実践型スクール【僕のAIアカデミー】

2. 最新技術を身につける

IT業界は技術革新のスピードが非常に速く、需要が集中する分野を押さえることが転職成功の大きな鍵になります。

2025年現在、特に注目されているのは「生成AI」「クラウドネイティブ技術」「サイバーセキュリティ」「データエンジニアリング」の4つです。

これらはいずれも人材不足が顕著で、実務経験が浅くても学習意欲と成果を示せば評価されやすい領域です。

生成AIと機械学習の拡大

ChatGPTをはじめとする生成AIの普及により、自然言語処理や画像生成といった応用分野が急速に広がっています。

従来の機械学習に加え、生成モデルを活用できるスキルは企業からのニーズが非常に高く、データ前処理やモデル運用(MLOps)に至るまで幅広い人材が求められています。

クラウドネイティブ技術

AWSやAzure、GCPといったクラウド環境を基盤に、コンテナ(Docker、Kubernetes)やマイクロサービスを組み合わせる開発スタイルが標準化しています。

インフラをコードで管理するIaC(Infrastructure as Code)も浸透しており、クラウドスキルはプログラマーにとって必須に近いものとなっています。

サイバーセキュリティ

DX推進と同時にセキュリティリスクも拡大しており、サイバー攻撃対策やゼロトラストネットワークの設計に対応できる人材は慢性的に不足しています。

セキュリティは専門領域の知識が必要とされますが、需要が非常に高いため未経験からでも基礎を学び始める価値が大きい分野です。

データエンジニアリング

ビッグデータやIoTで収集された膨大なデータを整理・活用するデータエンジニアリングも重要性を増しています。

データ基盤の構築やETL処理、分析環境の整備などを担える人材は、AIの発展に伴い今後さらに重宝されます。

3. 資格を取得する

3. 資格を取得する

エンジニアとしての実力を証明する方法の一つが資格です。

実務経験やポートフォリオが重視される傾向は強まっていますが、特に中途採用や異業種からの転職においては、基礎力を客観的に示す手段として依然有効です。

国家資格:情報処理技術者試験

経済産業省が認定する国家資格である「情報処理技術者試験」は、ITエンジニアを目指す人にとって定番の資格です。

特に以下の試験が、転職時の基礎力証明として活用されています。

基本情報技術者試験(FE)

プログラミングやアルゴリズム、ネットワーク、データベースなど、ITエンジニアとして必須の基礎知識を幅広く学べます。

未経験からエンジニアを目指す場合、まず挑戦する資格として適しています。

ITパスポート試験(iパス)

ITの基礎知識を社会人全般が持つべきリテラシーとして問う入門資格です。

エンジニア志望でなくても評価されますが、転職活動における直接的な効果は限定的です。学習意欲や基礎理解のアピールには有効です。

民間資格やベンダー認定資格

クラウドやセキュリティなど、特定分野を強みにしたい場合には民間のベンダー資格も有効です。

代表例としては、AWS認定試験(AWS Certified Solutions Architect)、Microsoft Azure認定、Google Cloud認定、CompTIA Security+ などがあり、実務に直結したスキルの証明として評価されやすくなっています。

資格とポートフォリオのバランス

資格は「学習の指標」や「基礎知識の証明」として役立ちますが、実務を重視する企業ではGitHubでのコード公開や成果物のポートフォリオの方が即戦力を示しやすい場合もあります。

資格取得だけに偏らず、学習成果を実際に形にすることが重要です。

4. 面接の対策

プログラマーに転職する際の面接で気をつける点は、身だしなみなど、一般の面接で注意することと基本的に同じです。

ここでは、プログラマーの採用面接特有の作品紹介や質問の対策について紹介します。

自分の作品を紹介する

プログラマーの採用面接では、面接官へ自身の技術がどの程度なのか知ってもらうために、オリジナルの作品を準備し、採用試験で披露します。

しかし、ただ作ればよいというものではありません。

作品の内容によっては、逆に評価を下げてしまう可能性もあるため、作品を制作する際は以下の点に注意してください。

時間がかかってでも自分で書く

プログラムは全て自分でプログラミングしてください。

インターネットや書籍にサンプルとして掲載されているプログラムをコピーし、つぎはぎして作っても、プロが見ればすぐにわかります。

作品は時間がかかってでも、すべて自分でプログラミングしましょう。

読みやすいソースコードを書く

ソースコードの見やすさは重要です。

  • 一つ一つの関数の行数を長く書きすぎない
  • プログラムの処理を説明するコメントをこまめに入れる
  • インデント(プログラムを書き始める位置)を整える

以上のことに注意し、相手の読みやすいプログラムを書くことを意識しましょう。

エラーを出さない

作品を披露している時に、プログラムのバグでエラーが発生してしまうと、せっかく良い作品を作っても高評価を得ることはできません。

事前に操作パターンを洗い出ししっかりとテストしておき、本番でバグを出さないようにしましょう。

不測の事態に備える

どんな場面でも不測の事態は起こり得ます。

例えば、面接直前に作品を入れたパソコンが故障する、デモで利用していた外部サーバーがメンテナンスで停止する、オンライン面接で通信が不安定になるといったケースです。

こうした状況に備えるには、ポートフォリオや制作物を複数の形で準備しておくことが有効です。

PDFやスライド形式の説明資料を用意しておけば、端末や環境が変わっても対応できます。

また、GitHubやクラウドストレージにソースコードや成果物をアップロードしておき、リンクを共有できるようにすると安心です。

紙の資料も補助的に役立ちますが、現在はオンライン環境を前提にしたバックアップ手段のほうが実用的です。

万一のトラブルが起きても落ち着いて説明できるよう、複数の手段を想定して準備しておきましょう。

ストレス発散方法を見つける

プログラマーは納期や仕様変更、長時間のデバッグなどで精神的な負担が大きくなりやすい職種です。

そのため、自分なりのストレス対処法を持つことは長く働く上で欠かせません。

スポーツや運動、趣味の活動、十分な休養など、バランスの取れた生活習慣を意識しておくと仕事のパフォーマンスも安定します。

最近の採用面接では「休日の過ごし方」や「ストレス発散方法」そのものを直接問われるケースは減少していますが、代わりに「チームでの働き方」「問題解決の工夫」「困難な状況でどう対応したか」といった質問で、ストレス下でも冷静に動けるかが評価されます。

自分の経験や日常の工夫を交えて答えられるよう準備しておくと安心です。

具体的なキャリアプランを考える

中途採用の場合具体的なキャリアプランを考えておいた方がよいでしょう。

  • どんな難しい要求にも対応できるように、プログラマーの道を極めたい。
  • 将来的にプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトをまとめ上げたい。
  • システム開発現場を熟知した、営業マンになって大型案件を受注したい。

自分の中で掲げた目標を実現するために、いつまでに何を成すべきなのか、はっきりとしたプランを持っていれば面接でも好印象が残せます。

また、入社後、エンジニアとして活躍する中で方向性を見失うこともないでしょう。

まとめ

まとめ

未経験から中途採用でプログラマーを目指す方法として、技術の習得や転職活動における準備の重要性を解説しました。

現在もIT業界では人材不足が続いており、学習意欲と実践的なスキルを示すことができれば、異業種からの転職にも十分チャンスがあります。

また、年齢に関係なく評価されるのは「学び続ける姿勢」と「ポートフォリオや成果物などで示せる実力」です。

早く行動を起こすことは確かに有利ですが、30代以降でも正しい学習方法と準備をすればキャリアチェンジは十分可能です。

今の自分に合った学習と準備を整え、確実に次のステップへ進みましょう。

 

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