未経験からのキャリア転身

【IT業界】そもそも未経験とは?転職にフォーカスすると失敗する理由。

プログラマーとして働きたい人、プログラマーとして働いて欲しい会社、双方増えていく方向にあります。

プログラマーに限らず、転職する場合は誰もがその職を未経験で転職します。

プログラマーも例に漏れませんが、専門職ですので、独学でどれだけ勉強したかどうかは、実務の現場で差がでます。

つまり未経験と言っても、実務未経験と全くの未経験では全然異なるという意味です。

今回は、プログラマーは未経験でも転職できる?というテーマで持論を論じたいと思いますが、同時に未経験の定義については結構大事なポイントになります。

未経験からプログラマーに転職したい方、自分の未経験はどういう意味の未経験なのかを考えながら参考にしてみてください。

未経験といっても幅広い

プログラマーは非常に奥の深い職業であり、しかも技術の進歩がめまぐるしい業種です。

AIやクラウド、フルリモート開発環境の普及により、数年前とは求められるスキルセットも大きく変わってきています。

最先端を追いかけるなら、どれだけ学んでも新しい課題が生まれますし、必ずしも最高レベルでなくても活躍できる現場は数多くあります。

一言でプログラマーといっても、使用言語や求められるスキル水準、チーム開発の進め方は会社ごとに大きく異なり、必要とされるレベルも多種多様です。

同時に、未経験という言葉も曖昧です。

  • (A) プログラマーとして転職したことや実務経験がない(ただし独学やスクール経験はある
  • (B) プログラミングそのものをまったくやったことがない(完全なゼロから)
  • (C) 学校で基礎的な内容や簡単なマクロを学んだ程度で、実務経験とは呼べない

これらが代表的な区分分でしょうか?

ただし2025年現在では、(B)のように完全にゼロからの応募者でも採用されるケースが増えてきています。

その代わり「やる気」だけではなく、ProgateやUdemyなどの学習履歴、GitHubへのコード公開、スクール修了証など、学習の証拠を示すことが重視されるようになっています。

この前提を踏まえて、多くの会社がどのような未経験者を求めているのかを見ていきましょう。 

(A)未経験=プログラマーとして業務経験がない人

「未経験歓迎」と書かれている求人の多くが指しているのは、このタイプです。

つまり「プログラマーとしての職務経験はないが、プログラミング自体はある程度できる人」

新卒でもない限り、まったくゼロの状態で転職活動をするより、この状態を目指して準備しておく方が現実的です。

ここで注意したいのは「未経験歓迎=ゼロから手取り足取り教えてもらえる」ではないということです。

2025年現在もその誤解は根強いですが、多くの会社でいう「研修あり」は、プログラミング基礎を教える研修ではなく、以下のような内容が中心です。

  • 社内での開発ルールやフローの説明

  • Gitなどのコード管理手法

  • 独自システムの使い方や運用ルール

  • プロジェクトの進め方や報告手順

つまり、「研修=会社のやり方に慣れてもらう場」であり、「プログラミングゼロから学ぶ場」ではありません。

これを理解して準備している人と、誤解したまま応募する人とでは、面接での評価に大きな差がつきます。

(B)未経験=プログラミングそのものをやったことがない

会社がいう未経験に対し、実際に応募してくる人で一番多いのがこのタイプです。

アルバイト募集で「未経験歓迎」とあればゼロから手取り足取り指導してくれるので、その感覚をプログラマーに当てはめてしまう人がいます。

気持ちはわかりますが、これは全く別物です。

プログラミングは、興味や適性があれば独学で必ず入り口に立てます。

今はProgateやドットインストール、YouTubeの解説動画、無料で使える学習環境(Visual Studio CodeやGitHub)など、始めやすいツールがそろっています。

会社はそうした自発的に学んだ形跡を評価します。

「すべて研修で教えてもらおう」という姿勢はマイナスです。

実務では、多少は教えてもらえても、先輩がマンツーマンで指導できる余裕はほぼありません。

基本は自分で調べ、試し、壁にぶつかったら質問する。これが評価される姿勢です。

その上で、「自分でこう調べてみたけれど、このやり方で合っていますか?」と確認する聞き方なら、前向きな成長意欲として受け止められるでしょう。 

(C)未経験=学校で習ったが、それをプログラミングというのかわからない

実際に応募者の中でよく見かけるのがこのタイプです。

いわゆる「ちょっとかじった程度」で、WordやExcelで簡単なマクロを書いた経験や、授業で少しコードに触れた経験を根拠に「未経験ではない」と思っているケースです。

また、「全くの未経験ではない」とアピールしたいのでしょうが、実力が伴っていないなら逆効果です。

とはいえ、この層の中には実は強みになる要素を持っている人もいます。

たとえば情報処理を学んでいてSQLの基礎が理解できる、条件分岐や繰り返し処理を自然に使える、あるいは数学に強い――こうした下地は大きなアドバンテージです。

大事なのは、それを「どう転職先に活かせるか」を具体的に示せるかどうか。

単に「授業でやったことがあります」ではなく、「SQLで簡単なデータ抽出ができます」「Excelマクロを使って業務効率化を実際にやりました」と言い換えられれば、評価される可能性はあります。

ただし忘れてはいけないのは、企業が最終的に求めているのは「現場で動けるプログラマー」です。

内定後は、そこで満足せずに猛勉強して実力を底上げする姿勢が必須になります。 

転職するなら未経験でもプログラミングの勉強は必要

まとめると、プログラマーに転職してプログラマーとして活躍しようと思ったら、未経験であろうとなかろうと勉強が常に付いて回ります。

どうせ必要になるなら、最初から学習を始めておいた方が有利ですし、その方が採用される可能性も高まります。

今はProgateやドットインストール、YouTube、Udemyなど、無料から始められる環境が整っています。

そうした教材を使って試行錯誤するうちに、自分なりの学習ルートを作れるようになり、調べて解決する力も自然と鍛えられていきます。

結果としてプログラミングスキルの伸びが大きく変わってきます。

転職にフォーカスすると結局損するのは自分

突然ですがプログラマー未経験のあなたに質問です。

あなたはプログラマー職に転職しました。これで本当に「プログラマー」になったと言えるでしょうか?

イエスと答えた人、その証拠を出せますか?おそらく難しいはずです。

看護師には国家資格が、弁護士には弁護士バッジがあります。

しかしプログラマーにはそうした絶対的な証明はありません。

資格を取ることはできますが、それを持っていなくても転職できますし、逆に資格があっても即戦力とは限りません。

つまり、プログラマーはコックや大工と同じように「まずは見習い」から始まる職業です。

表向きは明確な線引きがないものの、実際には「一人前」と「見習い」の差が存在します。

転職できたことはゴールではなくスタートです。本当の意味でプログラマーになるのは、そこから先の経験を積んでからです。

この勘違いが起きるのは、昔の「転職できただけで勝ち組」という価値観の影響が残っているからでしょう。

確かに無職よりはましですが、プログラマーや職人系の仕事は、なってからの方がずっと大変です。

だからこそ未経験のまま転職だけをゴールにすると、苦労するのは自分です。

企業側もそれを理解しているからこそ、教育コストや短期離職リスクを考えて、簡単には採用しません。 

ところが、稀に全くの未経験でも転職できる会社がある!?

「やはり「全くの未経験」でも採用されるなんて考えは甘すぎたか・・・いや、それでも探せば「全くの未経験」でも採用してくれる会社もあるはずだ!」

と考えたあなた、たしかにそうでしょう。

否定はできません。

事実、そんな会社を知っています。(あなたのために教えませんが)

甘い言葉には罠があるのです。

その某会社を例にあげれば、いわゆる典型的なブラック企業で、残業は無制限当たり前、でも今何かと話題の裁量労働制度を採用しているといって残業代は一切出ず、できてなけば休み無し、というワ◯ミ顔負けの会社です。

私の友人の友人がそこに転職しました。

当初「全くの未経験」なんだから転職なんかできっこないと思っていた私は驚きました。

シンプルに「そういう会社」もあるんだと思ったものです。

しかし、2ヶ月後その人にあうと、すっかり痩せているではありませんか。

おそらく10kgは痩せたと見られます。

元々普通よりやや太いくらいの体格は方がコケて丸みが消えていました。

ダイエットをするような人ではないので明らかにまいっていたのです。

未経験なのにプログラミングの仕事を押し付けられ、「できるようになればできる」と理不尽なプレッシャーをかけられていたのです。

さすがの「全くの未経験」で勉強しなかった彼も、寝る間も惜しんで勉強していましたが、長くは続かず心が折れ最後には退職してしまいました。

彼は、そのブラック企業のことを北朝鮮と呼んでいました。

つまり厳しすぎるノルマと会社の体制が悪すぎて人が長続きせず、慢性的な人手不足だったとのこと。

そのせいもあって過去に訴訟問題を起こしたり、社長の金遣いが荒すぎて資金繰りも難航。

始末が悪い事に営業部だけ優秀だったため、仕事は常にパンク状態。

プログラマー含む制作部は常に火の車だったそうです。

生きて脱北できてよかったと心から思います。

なお、たらればな話ですがもし彼がその北朝鮮で何とか仕事をこなし続けたとすれば、猛烈な技術力や知識を身につけられたでしょうね。

実際、その会社に残っていた人たちはものすごく仕事のできる人たちだけだったそうです。

そういう会社もあるということでしょう。

あくまで知人の体験ですが、転職に焦点をあてると結局損するのは自分という意味の答えになります。

プログラマーに転職してからがスタートライン

プログラマーは職業柄、めまぐるしいプログラミング言語や技術の進歩で勉強とは切っても切れません。

いくら独学で勉強しても、それが現場で活かせるかは分かりませんし、未経験者には現場は総じて辛く厳しいものでしょう。

あなたは、転職するために勉強をしていたのではなく、プログラマーになるために勉強をしていたはずです。

転職は単なるスタートラインであり、あなたは転職したからといってまだプログラマーではありません。

転職はプログラマー人生のマラソンのスタートを切ったに過ぎません。

大変なのはここからです。

また、走っているとゴールらしきものは常に見えていますが実際にはゴールはないマラソンです。

とても大変なレースかもしれませんが、裏を返せばいつでも逆転のチャンスがあるということ。

あなたの頑張り次第でどんどんできるようになるし、どんどんお給料もあがっていく、夢のある職業と言えます。

20代〜30代前半におすすめのITスクール

未経験からプログラマーを目指す方に向けて、特に評判が高いITスクールを3つご紹介します。

プログラマカレッジ

10代、20代の方でこれからプログラマーを目指すなら、無料で学ぶことができる「プログラマカレッジ」をおすすめします。受講料が0円で学べる仕組みや、就職支援の内容が充実しているため、最初の一歩として検討する価値があります。

プログラマカレッジ

テックキャンプ

20代で未経験からエンジニアを目指すなら、短期間で実践スキルを身につけられる「テックキャンプ」も選択肢の一つです。転職成功率97%という実績があり、転職できなければ全額返金保証付き。通学とオンラインどちらにも対応しているので、ライフスタイルに合わせて柔軟に学習可能です。

未経験のITエンジニア転職なら【TECH::EXPERT】

僕のAIアカデミー

「僕のAIアカデミー」は、AIをキャリアや副業に活かす実践型オンラインスクールです。 ただし、流行に任せて安易に選択すると「こんなはずじゃなかった」という後悔につながる危険もあります。その理由を以下で整理します。
  • トレンドに飛びついただけでは、基礎を飛ばして表面的な操作スキルで終わり、企業で通用しない
  • 転職活動では「AIは触れるが設計や基盤はできない」と評価され、キャリアが行き詰まる
  • 短期的な期待だけで選ぶと、結局はスキルも収益も身につかず「こんなはずじゃなかった」と後悔する
本来のITスキルは以下のように階層的に積み上げる必要があります。
ITスキル習得階層
  • 第一階層:ITリテラシー(PC操作・ネットワーク基礎)
  • 第二階層:プログラム言語(JavaやPythonなど)
  • 第三階層:設計スキル(要件定義・設計書作成・アーキテクチャ理解)
  • 第四階層:AP基盤スキル(ミドルウェア・サーバー・クラウド)
  • 第五階層:運用スキル(監視・セキュリティ・障害対応)
AIはこのすべてを横断する“土台”として位置づけられるスキルです。 だからこそ基礎を固めたうえでAIを学べば、「与えられた仕事をこなす人材」ではなく「AIを武器に自ら収益を生み出す人材」へと進めます。 「僕のAIアカデミー」は、その逆転を可能にする実践環境を提供しています。

AIによる副業・起業力を高める実践型スクール【僕のAIアカデミー】

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「未経験」の定義を大きく3つにわけましたが、求人を出している会社の未経験の意味は「プログラマーとして転職したことや業務をしたことがない」が大半です。

このことをよく理解していないと、プログラマーになることや、プログラマーの世界で生きるのは厳しいということがおわかりいただけたかと思います。

「プログラミングそのものをやったことがない」「学校で習ったが、それをプログラミングというのかわからない」も転職自体は出来ないとは言いません。

しかし、転職出来たあとのことを真剣に考えるなら、遅かれ早かれプログラミングの勉強に追われることになるでしょう。

プログラマーに転職して最初のころは、いきなり海に突き落とされて「泳げ」と言われたような感覚になることがあります。

それくらい右も左もわからないのは、どの職業でも一定程度同じ側面があるでしょう。

しかしプログラミングは予習が可能です。

この時、泳ぐ練習としていた人と、泳いだことがない人、泳げるかわからない人、生き残る可能性が高いのはどの人ですか?

生き残った上で"上手に速く美しく"泳げるようになりそうな人はどれですか?

どうせなら"上手に速く美しく"泳ぎたくありませんか?

未経験でプログラマーに転職したいなら、あなたが目指す「理想のプラグラマー像」と技術面では「勉強する方法」を身につけましょう。

後者は実践あるのみです。

もしスキル面に自信がないなら、急がず焦らず今は勉強することをおすすめします。

それが"上手に速く美しく"泳ぐ近道です。

どんな技術的問題や知識面の壁が立ちはだかっても、それを何とか解決するための勉強を惜しまないことが重要で、繰り返すことで「勉強する方法」が身につきます。

「転職=プログラマー」ではありません。

本当にプログラマーになりたいのならば、ちょっと遠回りのようですがこういう考え方もあるという参考になれば幸いです。

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