Javaを使う際に必須となるシステムに「JDK」と「IDE」があります。よくわからない単語ですが、別に難しいのもではありません。
この記事では、PCへの「IDE(統合開発環境)」の紹介と、その中から、現在Javaの開発で最も使用されているエクリプスIDEの導入について解説します。
IDEとは
IDEとは「Integrated Development Environment」の略で、よく日本語で「統合開発環境」と呼ばれています。IDEはJDKと連動して、プログラミングしたり、作ったプログラムを実行したりする際に便利な機能を提供してくれます。
実はIDEはプログラミングでは必須のアイテムではありませんが、これを使わないで開発するのは非常に面倒です。IDEがなかった時代は、コマンドプロンプトのような画面で文字だけでプログラムを書き、javacというシステムを通して、書いたプログラムを使える形にし、そのあとようやく実行...といった手順を踏んでいました。
IDEがあれば、実行ボタン一つでプログラムが動き、結果もIDE内に表示されます。こんな素晴らしいソフトウェアがあるなら使わない手はないですよね。その点でほぼ必須と言って良いでしょう。
JDKとは
JDKとは「Java Development Kit」の略で、その名の通り「Java開発キット」です。
この中にJavaでプログラミングしたり、作ったプログラムを動かすために必要なものが詰まっています。つまりJDKは「Javaそのもの」と思って問題ありません。
IDEで開発環境を構築する
では実際にJDKとIDEをインストールして開発環境を構築していきましょう。とはいえ、一口にIDEといっても様々な種類があります。まずはそれを見ていきましょう。
Javaで主に使われているIDEは次の3つです。
- Eclipse
- Intellij IDEA
- NetBeans
Eclipse
Eclipseは最も初心者向けのIDEです。なぜなら「JDKのインストールとIDEの日本語化が同時にできる」上「ダウンロードしたファイルを解凍したらすぐにプログラミングに入れる」からです。
基本的にJDKは別途インストールして、JDKをインストールしたパスをIDEに設定して...という工程が必要ですが、Eclipseでは最初からインストールされているので必要ありません。
あと日本語化についてですが、実はJavaのIDEは英語が基準で作られています(少なくとも筆者は日本語が標準で作られているIDEを知りません)。
なので、日本語で使いたい場合はその設定が必要なんですが、Eclipseの場合は最初から日本語にすることができるので非常に楽です。
Eclipseではこの2つが最初から設定されているので、初心者にはうってつけです。
Intellij IDEA
Intellij IDEAは非常に使いやすいIDEで、よく「痒いところに手が届くIDE」だと言われています。
筆者もよく使っていますが、たしかに使いやすいです。プログラミングしているときの煩わしさみたいなものをあまり感じません。
ですが、Eclipseと違い、基本的に英語な上、JDKの設定等も自分で行う必要があります。なのでIntellijを使うなら、まずEclipseでJavaの勉強を一通りした後でも遅くはないと思います。
NetBeans
こちらも有名なJava向けのIDEです。画面がシンプルでわかりやすく、日本語にも対応しているのでこちらも初心者の方におすすめなんですが、JDKは自身で用意して、パスの設定等をする必要があります。
また、実はJavaIDEのマーケットシェアは上述したEclipseとIntellij IDEAがほぼ独占しており、NetBeansはあまり使われていません。
参考:https://www.jrebel.com/blog/java-trends-and-historical-data
なので、NetBeansはインターネット上の情報が少なく、その点からもEclipseを使う方が無難と言えるでしょう。
Eclipseのインストールとプロジェクトの作成
では実際にIDEをインストールしてJavaの開発環境を整えましょう。今しがた3つのIDEを解説しましたが、今回はEclipseを使います。
また、Eclipseインストール後にJavaプロジェクトの作成を行います。これはJavaでプログラミングする際に必要なことです。
また、インストール方法は各OSによって異なります。ここではMacとWindows10のパターンをご紹介します。
MacでEclipseをインストールする
① 次のURLにアクセスします。
② Eclipse 2020を押下します。
③「Mac 64bit」の「Full Edition」の「Java」のダウンロードボタンを押下します。
圧縮ファイルのダウンロードが開始されるので、完了するまでしばらく待ちます。
④ ダウンロードが完了したらファイルを開きます。すると次のような画面になるので、EclipseのアイコンをApplicationにドラッグ&ドロップします。
⑤ これでEclipseのインストールは完了です。
LaunchpadからEclipseを開いてみましょう。次のようなダイアログが表示されます。
このダイアログが出たら一旦OKを押して閉じます。
⑥ Eclipseを開けるようにするために、システム環境設定を開き、その中の「セキュリティとプライバシー」を押下します。
⑦ 下の方に「このまま開く」というボタンがあるので押下します。これでEclipseを開くことができます。
これでEclipseを使う準備は整いました。
Windows10でEclipseをインストールする
① 次のURLにアクセスします。
② Eclipse 2020を押下します。
③「Windows 64bit」の「Full Edition」の「Java」のダウンロードボタンを押下します。
圧縮ファイルのダウンロードが開始されるので、完了するまでしばらく待ちます。
④ Eclipseをダウンロードしている間に7-zipをインストールしておきましょう(他の解凍ファイルでEclipseを解凍すると、ファイルが破損してしまいます)。
次のURLから7-zipをダウンロードし、インストールしておきましょう。
⑤ Eclipseのダウンロードが完了したら7-zipで解凍します。これでインストールは完了です。
「解凍先フォルダ/pleiades-2020-03-java-win-64bit-jre_20200322/pleiades/eclipse/」の直下にeclipse.exeが入っているので、それを開きます。
これでEclipseを使う準備は整いました。必要に応じてEclipseのショートカットを作ったり、タスクバーに留めておきましょう。
プロジェクトを作成する
最後にプロジェクトを作成しましょう。
① Eclipseを開くと下のようなダイアログが表示されます。
この選択を〜のチェックスボックスにチェックを入れ、起動を押下します。
少し待つと次の画面が表示されます。
② 画面左上の「Javaプロジェクトの作成」を押下します。
③ Javaプロジェクト作成ダイアログが表示されるので、プロジェクト名に「java_study」と入力して「完了」ボタンを押下します。
これでプロジェクトが作成されました。
Javaプログラムの基礎知識(全11記事)
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