
Javaを学び始めたばかりの方が最初にぶつかる壁が「変数の使い方」です。宣言や初期化の仕方がわからずエラーが出てしまったり、型の違いが理解できず挫折してしまう方も少なくありません。
しかし安心してください。この記事では、変数の基本的な使い方から初心者がつまずきやすいエラー回避方法、実際に動かせるサンプルコードまでをわかりやすく解説します。
変数を理解することはJava学習の大きな第一歩です。
この記事を読めば、自信を持って変数を使ったプログラムを書けるようになりますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
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変数とは?Java初心者が最初に知るべきこと
Javaを学び始めた初心者が最初につまずくのが「変数」の理解です。
変数はプログラムの基礎であり、これを理解しないまま進めてしまうと、意味不明なエラーで止まってしまいます。
変数の役割や使い方を具体例とともに理解することで、スムーズにプログラミング学習を進めることができます。
このセクションでは、変数とは何か、どのような場面で使うのかをわかりやすく解説します。
変数のイメージを簡単に掴もう

変数とは「データを入れる箱」のようなものです。
例えば、あなたがノートに数字を書き留めるように、プログラムの中でも数値や文字列などのデータを一時的に保管する場所が必要になります。
この保管する場所が変数です。Javaでは、変数を使うことで計算結果やユーザーが入力したデータを一時的に保存し、後で使いたいタイミングで呼び出すことが可能になります。
変数は「箱の名前(変数名)」を付けて管理します。プログラム内でどの箱を使うかは、この変数名によって決まります。
変数を使うことで、同じ処理を繰り返すときや複雑な計算を行う際にも、コードをシンプルにわかりやすくすることが可能です。
変数の役割と使う理由
変数を使う理由は、プログラム内で扱うデータを効率的に管理し、再利用可能にするためです。

例えば、数値をそのまま計算式に書き込んでしまうと、後でその数値を変更したいときに全ての箇所を修正しなければなりません。
しかし変数を使えば、一度値を設定しておけば、後から変数の値を変更するだけで全体の処理内容も変わるため非常に効率的です。
また、変数はユーザーの入力内容を受け取るときにも使います。例えば、ユーザーが入力した名前や年齢をプログラム内で処理する場合には、入力値を受け取る変数を用意する必要があります。
これにより、プログラムは動的にユーザーの情報を扱うことが可能になります。変数の宣言と初期化はJavaでプログラミングを行う上で必須の基礎知識となります。
変数を正しく使うことで、プログラムの保守性、可読性、効率性を高めることができるため、しっかりと覚えておきましょう。
Javaで変数を使う基本ルールと書き方
Javaでプログラミングを行う上で、変数の正しい使い方を理解することは必須です。
変数はデータを格納し、プログラム内で再利用するために必要な仕組みです。
しかし、正しい使い方を知らずにプログラムを書くとエラーが多発し、学習が進まなくなってしまいます。
このセクションでは、変数を宣言して使う方法、基本型の種類、変数名の付け方について具体的に解説していきます。
宣言と初期化のやり方

変数を使うためには、まず宣言と初期化を行う必要があります。
宣言とは変数の名前とデータ型を指定して「この名前の箱を作ります」とJavaに伝えることです。初期化は変数に最初の値を入れることを意味します。
例えば整数型の変数を宣言して10を代入する場合は次のように記述します。
int number = 10;
この場合、intは整数型を表し、numberは変数名、10は代入する値です。Javaでは必ず型を指定して変数を宣言する必要があります。値を代入しないで宣言だけを行う場合は以下のように記述します。
int number;
ただし、この場合は使用する前に必ず初期化(値を代入)しなければなりません。
値を入れないまま使用するとコンパイルエラーが発生するため注意が必要です。
型の種類とよく使う基本型だけ覚えよう
Javaには多くの型がありますが、初心者が最初からすべてを覚える必要はありません。
まずはよく使う基本型だけを覚えることから始めましょう。
以下の表は初心者がよく使う基本型とその用途です。
型 | サイズ | 用途 |
---|---|---|
int | 4バイト | 整数値を扱う |
double | 8バイト | 小数を扱う |
char | 2バイト | 1文字を扱う |
boolean | 1ビット | trueかfalseの真偽値を扱う |
String | オブジェクト型 | 文字列を扱う |
例えば文字列を扱いたい場合はString型を使います。次のように宣言と初期化を行います。
String message = "Hello, Java!";
小数を扱いたい場合にはdouble型を使い、次のように記述します。
double pi = 3.1415;
このように使う場面によって適切な型を選ぶことが、エラーを防ぎ、効率的にプログラムを作るためのポイントになります。
変数名の付け方(命名規則)とNG例
変数名はプログラムの可読性を高めるために重要な要素です。
適切な変数名を付けることで、後からコードを見返したときにわかりやすくなり、バグを防ぐことができます。
変数名を付ける際の基本ルールは以下の通りです。
- 英字、数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)が使用可能
- 最初の文字には数字を使えない
- Javaの予約語は使えない(例:class、publicなど)
- キャメルケースを使う(例:userName、itemPrice)
NG例として次のような変数名は使えません。
// NG例
int 1number; 👉 数字で始まっている
int class; 👉 予約語を使用している 逆に正しい例は以下のようになります。
// 正しい例
int number1; int userAge;
また、変数名は何を格納するための変数なのかがわかる名前を付けるようにしましょう。
例えば年齢を格納する場合は「age」、ユーザー名を格納する場合は「userName」とすることで、プログラムの内容が直感的に理解できるようになります。
変数名の付け方は習慣化することが大切です。
最初は意識しながら変数名を付けるようにし、自然とわかりやすい名前を付けられるようになることを目指しましょう。
よくある変数エラーとその回避方法
Javaで変数を使ってプログラムを書いていると、エラーでプログラムが動かず悩むことが多いです。
特に初心者の場合、変数の宣言や使い方でのミスが原因でエラーになることが多く、その内容も難解で理解しにくいと感じることがあります。
しかし、よく出る変数関連のエラーの原因と対策を知っておけば落ち着いて解決することが可能です。
このセクションではJava初心者がよく遭遇する変数関連のエラーとその回避方法を具体的に解説していきます。
型不一致エラーの原因と解決策
変数関連のエラーで最も多いのが型不一致エラーです。
これは変数の型と代入しようとしている値の型が合っていないときに発生します。
Javaは厳密な型指定が必要な言語であり、型が違う値を代入しようとするとコンパイルエラーが発生します。
例えば整数型の変数に文字列を代入しようとすると次のようにエラーが発生します。
int number = "abc";
この場合、int型には整数しか代入できないため、文字列である「"abc"」を代入しようとするとエラーになります。
解決策は、変数に代入する値が変数の型と一致しているかを確認することです。 また、小数をint型に代入しようとした場合もエラーになります。
int number = 3.14;
この場合は小数を扱うdouble型に変更するか、キャストして整数型に変換する必要があります。
double number = 3.14;
型不一致エラーは変数の型と値の型が一致しているかを確認するだけで防げるため、エラーが出たときは落ち着いて見直すようにしましょう。
未初期化エラーを防ぐ方法
次に多いのが未初期化エラーです。
Javaでは変数を宣言しただけでは値が入っておらず、そのまま使用するとコンパイルエラーになります。
必ず値を代入してから使う必要があります。 例えば以下のコードでは未初期化エラーが発生します。
int number;
System.out.println(number);
この場合、変数numberは宣言されていますが値が入っていないため、使用するとコンパイルエラーになります。
解決策は変数を宣言するときに初期値を入れておくことです。
int number = 0;
System.out.println(number);
初期値はプログラムの要件に応じて適切な値を設定するようにしましょう。
特にfor文や条件分岐の前で変数を宣言する場合、使う前に必ず値を代入するように習慣づけることで未初期化エラーを防ぐことができます。
スコープエラーの回避方法
スコープエラーも初心者がよくつまずくポイントです。
スコープとは変数が有効な範囲のことで、その範囲外で変数を使おうとするとエラーが発生します。
例えば次のようなコードではエラーになります。
if (true) {
int number = 10;
}
System.out.println(number);
この場合、変数numberはif文のブロック内で宣言されているため、そのブロックを抜けると使えなくなります。
そのため、if文の外でnumberを使用しようとするとスコープ外のためエラーになります。
この問題を解決するには変数を使用する範囲を意識して宣言することが大切です。
ブロック外で使う場合はブロックの外で変数を宣言する必要があります。
int number;
if (true) {
number = 10;
}
System.out.println(number);
このようにすることでスコープエラーを防ぎ、変数をブロックの外でも使用できるようになります。
特にJavaはブロック単位でスコープが決まるため、変数の宣言場所には注意を払いながらコードを書くようにしましょう。
実践例で変数を動かして理解しよう
変数の使い方を学ぶ際は、実際に手を動かして動作を確認することが最も理解が深まる方法です。
Javaでは変数を使うことで文字列を扱ったり、計算を行ったり、条件分岐を行ったりとさまざまな処理が可能になります。
このセクションではString型、int型、boolean型を使った具体的なサンプルコードを用いて、変数の動きを実際に確認しながら学習を進めていきます。
文字列を扱う(String型の例)
Javaでは文字列を扱う際にString型を使用します。
String型の変数を使うことでユーザーの名前を保持したり、メッセージを組み立てて出力することが可能になります。
以下のサンプルコードでは、変数nameに名前を格納し、変数messageにメッセージを格納してからコンソールに出力しています。
public class StringExample {
public static void main(String[] args) {
String name = "Taro";
String message = "こんにちは、" + name + "さん!";
System.out.println(message);
}
}
このコードを実行すると「こんにちは、Taroさん!」と出力されます。
このように変数を使うことで文字列の組み立てが簡単になり、ユーザーの入力や動的なメッセージ表示にも対応できるようになります。
計算をする(int型の例)
Javaでは数値の計算を行う際にint型を使用します。
int型の変数を使うことで合計値の計算や結果の保持が簡単にできるようになります。
以下のサンプルコードでは、2つの整数値を変数に代入し、それらを足し合わせて結果を出力する処理を行っています。
public class IntExample {
public static void main(String[] args) {
int number1 = 10;
int number2 = 20;
int sum = number1 + number2;
System.out.println("合計は " + sum + " です。");
}
}
このコードを実行すると「合計は 30 です。」と出力されます。
このように変数を使うことで計算結果を保持し、必要なタイミングで結果を出力できるため、プログラムが柔軟に扱えるようになります。
条件分岐で変数を使う(boolean型の例)
Javaでは条件分岐で変数を使うことで処理の流れを制御できます。
boolean型の変数はtrueかfalseの値を持つことができ、条件分岐の判定材料として非常に便利です。
以下のサンプルコードでは、年齢によって成人かどうかを判定し、結果を出力する処理を行っています。
public class BooleanExample {
public static void main(String[] args) {
int age = 20;
boolean isAdult = age >= 18;
if (isAdult) {
System.out.println("あなたは成人です。");
} else {
System.out.println("あなたは未成年です。");
}
}
}
このコードを実行すると「あなたは成人です。」と出力されます。
boolean型の変数を使うことで条件分岐の条件をわかりやすく整理でき、プログラムの可読性が向上します。
まとめ:変数を理解してJava学習を加速させよう
ここまでJavaにおける変数の基本から使い方、エラー回避方法、実践的な使い方について具体例を交えながら解説してきました。
変数はJavaプログラムの中でデータを扱う上で欠かせない存在であり、変数の使い方を理解することはこれからJavaを学ぶ上で大きな基礎となります。
このまとめでは、学習のポイントを整理しながら今後の学習の進め方についてお伝えします。
変数はデータを格納する箱のような存在であり、数値、文字列、真偽値などさまざまなデータを扱うことが可能です。
宣言と初期化を正しく行うことで、変数を安全に扱うことができ、プログラムの中で繰り返し使用したり、条件によって処理を分岐させたりすることが可能になります。
変数を使いこなすためには次のポイントを押さえておくことが大切です。
変数の型を正しく選択すること、変数名はルールに沿ってわかりやすい名前を付けること、スコープを理解して変数を適切な場所で宣言すること、初期化を忘れずに行うこと、これらを徹底するだけでエラーを大幅に減らすことができます。
実践例で紹介したように、文字列の結合、数値の計算、条件分岐での変数の利用などを繰り返し練習することで変数の使い方は自然と身についてきます。
実際に手を動かしてコードを書き、動作を確認しながら学習を進めることで理解が深まり、覚えたことを確実に自分のものにすることができます。
これからJavaを学び始める方は、変数の使い方をマスターすることでコードを書くことに対する苦手意識を克服し、自信を持って学習を続けられるようになります。
変数を理解することはプログラムの基礎体力をつけるようなものです。
これができるようになると次のステップである条件分岐、繰り返し処理、クラスとオブジェクトの理解などへ進むときにも役立ちます。
もしこれから実践的なプログラムを組みながら学習を続けたい方は、次は条件分岐やループ処理を学習してみることをおすすめします。
変数と条件分岐、ループ処理を組み合わせることで簡単なアプリケーションを作ることも可能になります。
学習した内容を使って簡単な電卓アプリや文字列の加工プログラムを作ってみると理解がさらに深まります。
Java学習は一度に多くを覚えようとすると挫折しやすいため、変数の使い方をマスターしたら、次は条件分岐、次はループ処理とステップを踏んで進めていくことが大切です。
毎日少しずつコードを書き、エラーが出たら焦らず落ち着いて原因を探し、修正しながら学習を続けることで確実に力がついていきます。
変数は単なる知識ではなく、使って初めて身につくスキルです。
ぜひ本記事で学んだ内容を使って実際に手を動かしながら学習を進め、Javaの基礎力を高めていきましょう。
変数の使い方を理解した次のステップとして、Javaでの計算処理を行う際に必須となる演算子の使い方を学ぶことをおすすめします。以下の記事では演算子の種類や基本的な使い方をわかりやすく解説していますので、学習をさらに進めたい方はぜひご覧ください。