Pythonの基礎知識(基礎編)

【Pythonの基礎知識】よく使う内蔵関数のまとめ

Pythonには「import不要」でそのまま使える便利な関数が多数用意されています。本記事では、実務や学習で頻出する内蔵関数(built-in functions)を厳選して紹介します。使用例とともに、どう使い分けるべきかも明確にしていきます。

内蔵関数とは?Pythonに標準搭載された便利機能

Pythonでは、わざわざライブラリをインポートせずとも、初めから使える関数が多数備わっています。本章ではその概要と役割を解説します。

内蔵関数の一覧と公式な位置づけ

Pythonには「built-in functions」として60種類以上の内蔵関数が標準で提供されています。これらはPythonインタープリタに常に組み込まれており、インポートなしで即使用可能です。

代表的な関数には以下のようなものがあります。

  • print():標準出力に表示する
  • len():長さ(要素数)を取得
  • type():データ型を確認
  • range():連番のリストを生成
  • sum():合計値を計算

組み込み関数と標準ライブラリの違い

内蔵関数(built-in)は「最初から使える」関数群であり、インポート不要です。一方、標準ライブラリはPythonに同梱されているものの、 import構文で読み込む必要があります。

分類特徴
内蔵関数インポート不要で即使用可能 print, len, type
標準ライブラリimportが必要だがPythonに同梱済 datetime, os, math

実務でよく使う内蔵関数10選

ここでは特に使用頻度の高い関数を10個厳選し、使用例と共に解説します。どれも初心者が現場で最初に触れる可能性が高い関数です。

数値処理に便利な関数(abs, round, max, minなど)

数値の操作に頻出する関数です。小数の丸め処理や、最大・最小値の取得などに活用されます。

abs(-10) → 10
round(3.14159, 2) → 3.14
max(1, 5, 3) → 5
min(1, 5, 3) → 1

データ型操作に使える関数(type, len, str, intなど)

変数の型を調べたり、型変換を行う際に使います。

type("hello") → <class 'str'>
len([1, 2, 3]) → 3
str(100) → "100"
int("42") → 42

イテラブル処理を支える関数(enumerate, zip, sortedなど)

for文との組み合わせで、リスト処理を効率化できます。

for i, v in enumerate(["a", "b"]): print(i, v)
→ 0 a
→ 1 b

list(zip([1, 2], ["a", "b"]))
→ [(1, 'a'), (2, 'b')]

sorted([3, 1, 2]) → [1, 2, 3]

評価系や実行系の関数(eval, isinstance, idなど)

動的な処理や型判定、内部ID取得などを行うときに使用します。

eval("3 + 5") → 8
isinstance("hello", str) → True
id("hello") → 実行環境によって異なるメモリアドレス

組み合わせて使える関数パターン例

内蔵関数は単体でも使えますが、組み合わせることで処理の汎用性や効率性が大きく向上します。実例を元に紹介します。

map, filter, lambda の組み合わせ

ラムダ式とmap/filterを組み合わせることで、リスト処理を簡潔に表現できます。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared = list(map(lambda x: x**2, numbers))
print(squared)
→ [1, 4, 9, 16, 25]

even = list(filter(lambda x: x % 2 == 0, numbers))
print(even)
→ [2, 4]

sorted + key で柔軟な並び替え処理

リストの要素に対して特定の条件を指定し、柔軟に並び替えることができます。

data = ["apple", "banana", "grape"]
sorted_data = sorted(data, key=len)
print(sorted_data)
→ ['apple', 'grape', 'banana']

any/all を使った条件判定の効率化

複数の条件を一括で判定したい場合に、any/allは非常に有効です。

values = [1, 3, 5, 7]
print(any(x % 2 == 0 for x in values))
→ False

print(all(x < 10 for x in values))
→ True

まとめ|内蔵関数を使いこなすとPythonが速くなる

内蔵関数の使いこなしは、Pythonらしい簡潔な記述に直結します。無理に自作せず、まずは「あるものを活用する」姿勢を持ちましょう。

特に初心者のうちは、「この処理、もしかして内蔵関数があるかも?」と疑って調べるクセをつけることで、Pythonの学習速度も向上します。

また、内蔵関数はパフォーマンス的にも最適化されていることが多いため、処理速度の面でも有利です。今後のコーディングにおいても、ぜひ積極的に活用してください。

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