トラブル体験談

【男性:39歳:トラブル】IT素人が行うシステム買収には多くのリスクが潜んでいる。

IT知識の低い方がプロジェクトの責任者になることは多々あります。
責任者へリスクを説明しても全く理解してもらえないのは本当にストレスです。
私も何度かこの手の問題を経験したことがありますが、私の経験からこの手の回避策は「影響力を持つ第三者の介入」以外にありません。
1.責任者を飛び越して上の役職者へ直談判する。
2.自分の所属するエージェントの営業へ相談する。(フリーランスの場合)
当然、当事者である責任者とは後々ギクシャクした関係になってしまいます。
私は、プロジェクトへ参画する前に責任者のITリテラシーを確認するようにしています。


私は39歳で、コンサルティングやシステム開発に15年ほど関わっている男性エンジニアです。

エンジニアを目指す人はぜひ、社内外のIT初心者からのシステム相談には積極的に関わり、特にリスクの多い契約に関連する部分のサポートをしてあげてほしいと思います。

経験したトラブル案件の概要

私が関わった案件で、大失敗だったのはあるシステムの買収案件です。

当時、私のクライアント企業A社が中古車買取の分野に進出しようとしており、某企業B社の中古車買取事業部門を買収することになりました。

その買収資産の中には、このあと問題となる「中古車のオンライン見積もりシステム」が含まれていたのです。

私はWeb系システムを得意な領域としており、 〇〇君(A社担当者)から、システムの機能や価格相場に関して相談を受けていました。

システム買収のデューデリジェンスは私も初めてで、勉強したり法務部などに相談しながら慎重に事を進めて行きました。

しかし、 B社( 中古車買取事業部門 )と直接交渉を行っていた 〇〇君は、システムの機能面や相場に問題がないことを知るとすぐに契約の締結を進めてしまったのでした。

穴だらけの契約

その後、契約内容に関する大きな問題が発覚します。

その問題というのは、サーバーやデータベースの管理に対する問題です。

B社の 中古車買取事業部門の一部を買収したとはいえ、サーバーのロケーション(設置場所)は買収先の企業内にあり、「他のサービスの都合上、サーバーは譲渡できない」「セキュリティ上、FTPやSSHでのシステムへの接続は認めない」と言われてしまったのでした。

また、見積もりシステムの基幹情報になる車種や年式、価格に関するデータベースは先方企業に所有権がそのまま残り、今回の契約内容(譲渡)には含まれていなかったのです。

つまり、私のクライアントであるA社は「すぐに使えないシステム」に多額の費用を支払い購入してしまったのです。

私:「何でそんな契約を結んでしまうんだ!」

内心、憤りを感じながらも後々大きな問題に発展しないことを祈りながら事態を見守りました。

後日、当のA社側もまずいと感じた様子で、

〇〇君:「今の契約書の内容に不備が見て取れるため、改めて契約内容を見直すことにしました。」
〇〇君:「契約内容の見直しについては、B社とも話がついています。」
私  :「それは良かったですね。」

内心ホッとしながらも、心のどこかで不安はぬぐい切れませんでした。

まさかそれが現実になるとは・・・

私は契約書の見直しによって、当然下記の2点が解消されているものだと思っていました。が、交渉範囲は金額面のみで、肝心の下記2点の問題には全く触れていないことが分かりました。。

  • 「サーバー(マシン)の譲渡」
  • 「FTPやSSHでのシステムへの接続許可」

依然として新幹線で東京から名古屋まで移動し、先方企業のサーバー室で時間制限と監視がつく中作業をしなければならないという状況が続きました。

叱責され自信をなくした顧客に代わりリカバリーに奔走

さすがにこの非効率な条件で契約を交わした〇〇君が役員会議で厳しい叱責を受けることになったとのことでした。

役員会のあったその日のうちに、A社の役員から私へ 直々に相談したいことがあると連絡が入りました。

話を聞いてみると・・

A社役員:「〇〇君(A社担当者)にこの案件は任せられない。」
私 :「というと?」
A社役員:「申し訳ないが・・・」
A社役員:「君に〇〇君の業務を引き継いでもらいたい。」
私 :「はっ?」「私にですか?」
A社役員:「そうです。」

後日、私が 〇〇君に代わり、先方に赴きデータベースから必要なデータを抽出して購入したい旨や、期限つきで遠隔からのアクセス権を得てシステム移行を行いたい旨を交渉することになりました。

これらはIT関係者なら当然の提案であるため、相手も無下に断れません。

多少ふっかけた価格を提示されはしましたが、無事に契約をすることに成功しました。

なかなかアカウントを発行してくれなかったり、しぶしぶ対応される部分が気にはなりましたが、システムの移行も期間内に無事に行うことができました。

後でわかったことですが、先方から「データベース」と何度も言われていた車種や年式などの見積もりデータは、実はただのcsvファイルで、たったの数キロバイトしかないデータだったのです。

おそらく最初から、 〇〇君がITの素人であること見抜いて、交渉を有利に運ぶ算段だったのでしょう。

専門家として助言できなければ価値がない

結局、すべてが終わってから、 〇〇君が「ITの知識がなく、足元を見られていたことに気づかなかった」と述懐していました。

実際、足元を見てくる相手が悪かったと思いますし、一方で〇〇君にIT知識があれば避けられたのも事実です。

しかし、私としても、事業買収に関する相談を受けた際に、想定されるリスクについて洗い出して情報提供できなかった部分には負い目を感じます。

また、不当な契約内容だとわかった時点で、もっと早く問題提起を行うことができていれば、A社受けた傷を浅くし、より強い信頼も得られていたでしょう。

エンジニアにはコンサルティングを行う立場の人も多いですが、クライアントからの相談事項に対し専門家として判断をせず、状況に流されて対応するだけではコンサルティングになりません。

クライアントは全ての状況の報連相をしてくれるわけではないため、こちらからも積極的に介入することが必要なのです。

特に契約については、法務だとしてもITの素人ではわからないことが多く、リスクの温床になりやすいため、注意深くサポートしてあげることもITエンジニアの大事な仕事であるといえるでしょう。

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