職種別就職・転職術

データベースエンジニアになるには?仕事内容や必要な知識も紹介!

データベースシステムの構築や開発は、専門家だけの仕事というイメージがありました。確かにデータベースは、専門知識を最も要するアプリケーションの1つです。

デスクトップアプリケーシ∃ンのように、起動してしまえばあとは、直感的に使用できるという代物ではなく、裏で稼動する高機能さに比べ、ユーザーインターフェースは貧弱なアプリケーシ∃ンでした。

しかし、インターネットの普及にあわせて、「Webシステム」へ「データベース」が使用されるようになると、データベースベンダーは新技術への対応とともに、今までコマンドラインやSQLでしか扱えなかった「データベース」の管理機能を、優れたユーザーインターフェースで利用できるように改善を図り、データベース構築の敷居を低くしてきました。

とはいえ、実際にデータベースエンジニアへの転職を決心してみたはいいが・・・

  • 実際どんな仕事をするのかよくわからない
  • どんなスキルが必要なのか分からない
  • 徹夜続きで家に帰れないなんてないよね?

不安は尽きませんよね?

この記事では、実際にデータベースエンジニアになるための下記の内容について解説しています。

この記事でわかること

  • データベースエンジニアの仕事内容
  • データベースエンジニアの年収やポイント
  • データベースエンジニアに求められるスキル

データベースエンジニアとは?

データベースエンジニアとは、企業が扱う膨大なデータに関わる仕事です。一口にデータベースエンジニアと言っても、 その役割は大きく下記の2種類に分かれます。

2種類のデータベースエンジニア

  • データベースエンジニア 
    アプリケーションからデータを保管/参照するためのデータベースサーバを構築する職種

  • データベースアドミニストレータ (dba)
    データベース管理システム(DBMS)の導入や運用、記録されたデータの管理を行う職種

当然、この2種類のエンジニアの担当作業範囲も変わってきます。

「データベースエンジニア」は、「DBMS(データベースマネジメントシステム)」の導入から、扱うデータを格納する構造体の設計、構築、テストまでを行います。構築後(稼働中)の障害対応も業務の一つに入ります。

一方の「データベースアドミニストレーター(dba)」は、必要に応じてデータベースへのアクセス権を付与するデータベース管理者としての役割を担います。稼働中のデータベース動作に障害の兆候が表れていないか、不正アクセスの兆候が表れていないか等、日々のの管理を行います。

そもそもデータベースとは?

「データベース」とは、様々なアプリケーションで使用できるように設計されたデータの集合体です。つまり「データベース」とは、データを保管しておいて、必要に応じて引き出すことのできる「データの入れ物」です。

データベースについて詳しく知りたい方は、下記のリンクページを参照してください。

データーベースエンジニアの仕事内容

データベースエンジニアの主な仕事内容は、データベースの構築です。 データベース構築には「要件定義」「設計」「構築・実装」「テスト」「移行」「運用・保守」から成る6つのフェーズが存在します。

ポイント

  • 要件定義
    どのようなシステムを作成するかをシステムエンジニアがヒアリング
  • 設計
    要件定義書を元に設計書を作成(パラメータレベル)
  • 構築・実装
    設計書を元にDBMS、DBサーバーを構築
  • テスト
    設計書通りに構築・実装されているか検証
  • 移行
    データを新環境へ移行
  • 運用・保守
    新システムでの運用・保守

上記作業フェーズの中で、データベースエンジニアは「設計」「構築実装」「テスト」を担当します。なお、「移行」フェーズについては、「移行チーム」が行う事が一般的です。プロジェクトによっては「データベースエンジニア」も駆り出されることもあります。

設計

設計フェーズは、システムエンジニアが作成した要件定義書を元にして、システムの構成や仕様、機能などを定義していきます。インフラ側では「方式設計」と呼ぶことが多いです。

本フェーズでは、システムの全体構成や、各サーバの構成、通常時の運用や、障害時の対応(切り替えや復旧)をどのような方式で実施するかなどについて設計して行きます。

設計すべき項目は多岐にわたり「物理設計」「高可用性設計」「運用設計」などに分けられます。

設計フェーズ

  • 物理設計
    プロダクトを構成するファイルの置き場(物理配置)やパラメータの設計を行います。
  • 高可用性設計
    システムが要件通りに利用可能にするための設計を行います。
  • 運用設計
    起動停止などの運用ジョブ、ログの管理、監視などの定常時や異常時の運用に関する設計を行います。

構築・実装

構築・実装は、設計書で定義した内容を基に、構築・実装を行うフェーズです。

高可用性設計や物理設計で定義した内容に基づいて、ハードウエアの装置からOSやプロダクトの導入・設定などの作業を行います。

運用にかかわる構築・実装では、監視ツールやバックアップツール、ジョブスケジューラなどの定時運用で使用するツールの設定や、それらに必要なシェルなどの運用スクリプトの作成を行います。

開発環境、ステージング環境、本番環境など、複数環境を構築する場合は、それぞれの設計に基づいて別々に構築していきます。どの環境から構築していくかは、そのプロジェクトによるところが大きいですが、通常は「開発環境」>「ステージング環境」>「本番環境」と順に構築していくことが一般的です。

その他にも、定常運用や障害時運用の手順書なども整備する必要があります。
常は運用チームが別に編成され、運用手順書の作成を担当します。

テスト

テストフェーズは「単体テスト」「結合テスト」「総合テスト」の3フェーズに分かれます。

テストフェーズ

  • 単体テスト
    データベースの起動・停止・再起動等
  • 結合テスト
    通常時も障害時も設計通りの動作をするか、手順も合わせて確認
  • 総合テスト
    データベースの性能やSQLのボトルネック等を調査

3つのテストフェーズを通過したら、顧客主導の受け入れテストに進みます。データベースエンジニアの作業範囲はここまでとなります。

移行

移行フェーズは、本番稼働をさせるためにハードウエアやデータなどを、本番環境で利用できる状態に移行するフェーズです。

移行は一発勝負の為、綿密な計画や設計、テスト、リハーサルなどの準備が重要になります。また、移行に失敗した場合の復旧方針も事前に明確にしておく必要があります。また、テストフェーズで本番環境を装うために作成したスタブなど撤去します。

通常は「構築・実装」フェーズを担当したエンジニアの中から数名が残り、移行チームとしてこのフェーズを担当します。

データベースエンジニアの年収は?

データベースエンジニアに転職を検討するなら、仕事内容とともに年収も把握しておきましょう。データベースエンジニアは、やりがいに加えて、収入面も魅力的な仕事です。ただし、データベースエンジニアは、やりがいに加えて、収入面も魅力的な仕事です。

20代のデータベーエンジニア

データベースエンジニアの年収は年齢とともに増える傾向で、20代ではおよそ400~500万円が一般的な金額になります。

データベースエンジニアとして働くには、専門的な知識やスキルのほかに、エンジニア経験やコミュニケーションスキルなど高い能力が必要とされています。そのため、実務経験が少ない20代でデータベースエンジニアを目指すのは、困難かもしれません。

特に20代の方は、転職活動の際には資格やスキルをアピールするだけでなく、若さゆえの体力、学習能力の高さなどもアピールしましょう。

30代のデータベースエンジニア

30代は実務経験に加えて知識やスキルも充実しています。その反面、データベースエンジニアとして働くには、年齢がネックになるのではと考える人もいるのではないでしょうか。有利に転職活動を進めるには、会社員時代の経験を振り返ってみましょう。

30代ともなるとリーダー的ポジションを経験した人も少なくありません。リーダーとして培ったコミュニケーションスキルやマネジメントスキルは、十分アピールポイントとなり得ます。30代ではおよそ500~600万円が一般的な金額になります。

40代のデータベースエンジニア

もっとも40代ともなれば同じデータベースエンジニアであっても「DBA(データベースアドミニストレータ)」的な立場を期待されるため、 600~800万円が相場とされています。 データベースエンジニアは専門的なスキルを持った職業です。そのため、一般的なプログラマーなどと比較して年収はやや高めといえるでしょう。

これ以上の金額を目指すとなると、フリーランスへの転身を念頭に置くべきです。フリーランスの場合は、年収にして100万円~200万円上がる感じではないでしょうか。

データベースエンジニアに必要な知識やスキルは?

データベースエンジニアとして稼いでいくためには、専門的な知識やスキルが求められます。まず、プログラミング言語を使いこなし、あらゆるデータベースアプリケーションに対応できると稼ぎやすくなります。データベース関連の資格を取得するのもよいでしょう。

代表的なデータベース資格

  • 基本情報技術者試験
    ITに関する基本的な内容が問われる試験です。趣味でサーバーを構築できるレベルであれば、普通に受かるレベルです。

  • データベーススペシャリスト試験
    データベーススペシャリスト試験は、基本情報技術者試験と同じ経済産業省が認定する国家試験です。合格率は「15%」前後と極端に低くなりますが、それだけにアピールポイントになる資格です。この資格を取得できればDBAとしての知識も身に付いていると言えるレベルです。

  • Oracle Master
    Oracle Masterとは「日本オラクル社」が公式に運営する「Oracle Database」の技術力を認定する資格です。国家資格ではありませんが、現在、世界のデータベース市場において圧倒的なシェアを誇る「Oracle Database Management System」の認定技術者の証です。正直なところ、データベーススキルをアピールするには、現在最も効力を発揮する資格と言えます。「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」と4つの難易度があり順に資格取得の難易度が上がります。この資格は、全世界共通でアピール可能です。

将来的にフリーランスを目指すなら、実力を示すためにも上記の資格取得がおすすめです。こういった知識やスキルの勉強方法としては、プログラミングスクールに通ったり、自分でアプリケーションを入手し、データベースの構築を実践したりといった方法が挙げられます。

昨今のサーバーサイドプログラムはデータベースと表裏一体の関係にあることから、多くのプログラミングスクールでも、カリキュラムの一部としてデータベースを扱っています。

ただし、あくまでもプログラミングを主体とした知識に限定されるため、データベースの専門知識(パラレル、冗長性、非機能、IO分散、チューニング等)までは対象としていません。一定以上の知識は自力で学ぶ必要があります。

データベースエンジニアは、データベースを開発・設計するにあたって、企業の希望を詳細に聞き出す必要があるため、高度なコミュニケーションスキルや論理的思考力も重要です。ただやみくもに専門用語をまくしたてても相手は全く理解してくれません。

ほかにも、他のエンジニアと共同で作業する場合にも、コミュニケーションスキルが求められます。また、サーバーの容量をどれだけ確保したらよいか、どのようにデータを階層化して保管するかなどを考える際には、論理的に考えられる人が重宝されるでしょう。

まとめ

データベースエンジニアは企業のデータ整理・管理に関わる重要な仕事です。知識やスキルを武器にすれば、フリーランスとして独立しても、多くの収入を得られるでしょう。

なお、データベースエンジニアには、技術以外にもさまざまな能力が求められます。コミュニケーションスキルや論理的思考力を磨き、データベースエンジニアへの転職を成功させましょう。

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